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日本工作機械工業会/ 2024年 年頭所感

2024 年 01 月 10 日


一般社団法人 日本工作機械工業会
会長 稲葉 善治

 

 

 


 2024年の新春を迎え、謹んで年頭の御祝詞を申し上げます。
 さて、昨年を振り返りますと、新型コロナウイルスは5類に移行し社会は平静を取り戻しましたが、一方で、米中対立は長期化・先鋭化しており、ウクライナ戦争も長期化の様相を呈しているほか、中東パレスチナでは激しい軍事衝突がありました。地政学的リスクが世界各地域で顕在化しており、世界情勢は不透明・不確実の度合いが強まった1年でした。そのような状況にあって、工作機械受注は、内需では、半導体製造装置関連や自動車向けの需要が減速し、外需では欧米は比較的高水準を維持しましたが、中国は景気低迷の影響もあり大幅に減速しました。その結果、2023年の工作機械受注額は、高水準ながら緩やかな調整局面となりました。
 そのような局面にあっても、製造業ではデジタル・グリーン・レジリエンスをキーワードとする取り組みが進められており、産業や社会の構造変化は着実に進展しております。工作機械の技術面においては、協働ロボットや自動計測装置、パレットプール等を活用した自動化・省人化、AI・IoTを活用したDX、シミュレーションを駆使したデジタルツイン、高速・量産対応の積層造形技術、カーボンニュートラルを見据えた省エネ等、これらの技術革新が加速しております。市場面では、地政学的リスクの上昇もあり通商環境が複雑化しており、輸出管理・経済安全保障には細心の注意を払わねばなりません。日本の工作機械産業はこれらの状況に適宜適切に対処し、本年も世界の製造業の発展に貢献して参りたいと存じます。
 本年は、11月に我が国工作機械業界最大のイベントであるJIMTOF 2024を東京ビッグサイトで開催し、「技術のタスキで未来へつなぐ」をコンセプトに、日本が誇る最先端の工作機械技術・製品を世界に向けて発信致します。南展示棟では、特別併催展としてAdditive Manufacturing Area in JIMTOFを催すほか、出展者と学生を繋ぐアカデミックエリアの設置を計画し学生と現役世代の交流の場を創出します。また、国内外の技術者が集う「国際工作機械技術者会議」や全国の学生を招待して実施する「工作機械トップセミナー」など、盛沢山の併催行事を用意して、工作機械産業の魅力を来場者の皆様にお伝え致します。是非、多くの方にご来場頂きたいと存じます。
 日本の工作機械産業は、世界をリードする高機能で信頼性の高いモノとしての工作機械でコトづくりを支えて参ります。関係各位には当工業会の事業に対する一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

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