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ー 科学と技術で産業を考える ー

ことラボ・レポート

最新の業界情報

日工会の月例記者会見(2024年2月)

2024 年 03 月 06 日

 (一社)日本工作機械工業会は、2月 21 日に1月分の受注額確報値を発表した。

工作機械の受注額【1月確報】 ※速報値は2月 13 日発表

1.概況【1月受注】:
受注総額:
1.1,109.6 億円(前月比△ 12.7 %(3ヵ月ぶり減少)、前年同月比△ 14.0 %(13 ヵ月連続減少))
受注総額は、⼤型受注の剥落や正⽉休みによる営業⽇減等で、2ヵ月ぶり の 1,200 億円割れ。外需は底堅さがあるものの、内需は⼒強さに⽋ける
(1)内需 306.0 億円(前⽉⽐ △ 20.0 % 前年同⽉⽐ △ 29.5 %)
正⽉休みによる営業⽇減もあり、2021 年2⽉(304.7 億円)以来、35 ヵ月ぶりの 310 億円割れとやや低調
(2)外需 803.6 億円(前⽉⽐ △ 9.5 % 前年同⽉⽐ △ 6.2 %)
主要3極すべて前⽉⽐減少。2ヵ月ぶりの 850 億円割れも、3ヵ月連続 で 800 億円超を維持するなど、底堅い動き
⇒1⽉の受注は、季節要因により減少も、全体的に緩やかな減速傾向
今後の持ち直しの時期等、動向を注視

2.内需【1⽉分】306.0 億円 (前⽉⽐ △ 20.0 % 前年同⽉⽐ △ 29.5 %) 出所:⽇本⼯作機械⼯業会
(1)内需総額
・2ヵ月ぶりの 350 億円割れ。2021 年2⽉(304.7 億円)以来、35 ヵ月ぶりの 310 億円割れ
・前⽉⽐ 2ヵ月ぶり減少 前年同⽉⽐ 17 ヵ月連続減少
・内需は、⼤型受注の剥落や季節要因で前⽉⽐2割減の、緩やかな減少傾向

(2)業種別受注
・主要4業種:「一般機械」「自動車」「電気・精密」「航空・造船・搬送用機械」
前⽉⽐ :すべて減少
前年同⽉⽐:すべて減少
・全 11 業種中
前⽉⽐ : 減少 7業種 (「精密機械」「航空・造船・輸送⽤機械」等)
前年同⽉⽐ : 減少 8業種 (「鉄鋼・⾮鉄⾦属」「電気機械」等)
・「航空・造船・輸送⽤機械」の3ヵ月ぶりの 20 億円割れ

主要4業種

(3)一般機械(産業機械等・金型)向け受注

・⼀般機械計は、2ヵ月ぶりの 130 億円割れ
・産業機械等は、35 ヵ月ぶりの 110 億円割れ。⾦型は、2ヵ月連続の 20 億円超
・⼀般機械は、緩やかな減少が続く中で調整局⾯が継続

(4)自動車(自動車部品・完成車メーカー)向け受注

・⾃動⾞計は、7ヵ月ぶりの 75 億円割れ
・⾃動⾞部品は、3ヵ月ぶりの 60 億円割れ。完成⾞は2ヵ月ぶりの 20 億円割れ
・⾃動⾞関連投資は依然として需要が停滞

☆2月 21 日に配信した『ことラボSTI』の「最新の業界情報」の“2023 年(暦年)工作機械受注実績の概要”に
「年間の内需に占める「自動車」の割合を 2020 年から見ると
25.7 %(2020 年)→22.6 %(2021 年)→22.3 %(2022 年)→21.1 %(2023 年)
と低下傾向は明らかだが、2023 年 11 月から単月を見ると25.0 %(11 月)、26.6 %(12 月)と高比率に回復してきた。これを朗報と見てよいか否かは2月 21 日に発表される1月受注で判るだろう。
と報告したが、12 月と1月の統計を見ると、
26.0 %(12 月)→22.9 %(1月)
と、2023 年の年間平均 21.1 %は上回ったが、回復傾向とはいいがたい。
単月あたりの受注金額も 70 億円と 12 月の 100 億円より3割も減少しており、回復感を取り戻した、と言い切れる状況ではない。

3.外需【1月分】803.6 億円(前⽉⽐ △ 9.5 % 前年同⽉⽐ △ 6.2 %)

(1)外需総額
・2ヵ月ぶりの 850 億円割れも、3ヵ月連続の 800 億円超
・前⽉⽐ 3ヵ月ぶり減少 前年同⽉⽐ 13 ヵ月連続減少
・主要3極はすべて前⽉⽐減少も、800 億円を超える受注で底堅い動き

(2)主要3極別受注
①アジア
アジア計は、東アジア、その他アジアとも前⽉⽐減少も、2ヵ月連続の 350 億円超
-東アジアは、4ヵ月ぶりの前⽉⽐減少も、3カ⽉連続の 250 億円超
-韓国は、2ヵ月ぶりの 20 億円超
-中国は、3ヵ月連続の 220 億円超と底堅い動き
-その他アジアは、インドで前⽉の⼤型受注の反動で減少も、ほぼ 100 億円を維持
-タイ(22.5 億円)は、2ヵ月連続の 20 億円超
-インドは、前⽉の反動減も3ヵ月連続の 40 億円超

アジアの業種別受注
・主要4業種は、電気・精密を除きすべて前年同⽉⽐増加
・⼀般機械は、中国が堅調⽔準を維持したほか、韓国でも増加し、2ヵ月連続の 140 億円超
・⾃動⾞は、インドでまとまった受注が継続した他タイでも増加し、2ヵ月連続の 120 億円超
・電気・精密は、中国やインド等、多くの国・地域で前⽉⽐減少し、2ヵ月ぶりの 60 億円割れ
・航空・造船・輸送⽤機械は、多くの国・地域で前⽉⽐増加し、2ヵ月ぶり5億円超

②欧州
欧州計は、その他の⻄欧を中⼼に前⽉⽐減少し、17 ヵ月ぶりの 170 億円割れ
-ドイツは、2ヵ月連続の 40 億円割れ
-イタリアは、2ヵ月連続の 20 億円超
-イギリス(12.9 億円)は、4ヵ月ぶりの 15 億円割れ

欧州の業種別受注  出所:⽇本⼯作機械⼯業会 ※( )内は前年同⽉⽐ 単位:億円・(%)
・主要4業種は、⼀般機械のみ前年同⽉⽐増加
・⼀般機械は、 EUを中⼼に前⽉⽐増加し、2ヵ月ぶりの 60 億円超で堅調持続
・⾃動⾞は、トルコ等で前⽉⽐増加も、フランス、イギリス等で減少し、前⽉からほぼ横ばい
・電気・精密は、ドイツ等で前⽉⽐増加も、多くの国・地域で減少し、2カ⽉ぶりの 20 億円割れ
・航空・造船・輸送⽤機械は、フランスでのキャンセル等、多くの国・地域で前⽉⽐減少
③北米
北⽶計は、5ヵ月ぶりの 250 億円割れも、横ばい 圏内の動きで堅調持続
-アメリカは、6ヵ月ぶりの 220 億円割れ
-カナダ(17.5 億円)は、3ヵ月連続の 15 億円超
-メキシコは、3ヵ月連続の 15 億円超

の業種別受注   出所:⽇本⼯作機械⼯業会 ※ ( )内は前年同⽉⽐ 単位:億円・(%)
・主要4業種は、航空・造船・輸送⽤機械で前年同⽉⽐増加
・⼀般機械は、域内すべての国で前⽉⽐減少し、7ヵ月ぶりの 80 億円割れ
・⾃動⾞は、カナダで前⽉⽐減少もほぼ横ばいで、2ヵ月連続の 40 億円割れ
・電気・精密は、域内すべての国で前⽉⽐⼤きく減少し、36 ヵ月ぶりの 10 億円割れ
・航空・造船・輸送⽤機械は、アメリカ、メキシコで前⽉⽐増加し、3ヵ月連続の 40 億円超