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ー 科学と技術で産業を考える ー

ことラボ・レポート

最新の業界情報

第18回「芝浦機械グループソリューションフェア2023」開催される

2023 年 10 月 25 日

 芝浦機械グループは、新型コロナ禍により3年間開催を中止していた「ソリューションフェア」を、新型コロナウイルス感染症の5類感染症に移行に伴い 10 月 31 日(火)からの3日間の日程で開催する。2020 年4月に「東芝機械」から「芝浦機械」に商号変更後として初めてとなりタイトルも「芝浦機械グループソリューションフェア」となる。
今年のフェアのコンセプトは「先進技術で繋ぐ循環型社会の実現を目指して」で、BEV(電気自動車)への幅広い取組み・先進技術を紹介している。
 さらにキーワードとして①サステナビリティ(持続可能性)、②サーキュラーエコノミー(循環経済)、③デジタル化、の3つを掲げ、GXの一翼を担うEV(CASE)を中心とした事業への取組みと、DX活用によるサステナビリティの追求を通したお客様への高付加価値提案を基軸とした展示に注力した。
《開催概要》
開催期間は、2023 年 10 月 31 日(火)~ 11 月2日(木)
開催時間は、午前9時 15 分~午後4時 30 分
会場は、沼津工場、御殿場工場の2カ所
【沼津工場】〒410-8510 静岡県沼津市大岡2068-3 TEL:055-926-5141
【御殿場工場】〒412-0038 静岡県御殿場市駒門1-120 TEL:0550-87-3555
☆東海道新幹線三島駅北口より沼津工場及び御殿場工場まで無料シャトルバスがある。
《会場への案内》
【沼津工場】受付はHall1(体育館) その後の見学はHall 1→2→3→4→5→6→7→8
【御殿場工場】受付はHall9
《展示概要》
Hall1(1F):受付、商談コーナー=BEV分解モデル、モニター、パネル、サンプル
(2F):R&Dセンター=積層造形機、成膜装置、AMR、xR/machiNetEdge、上位AIシステム連携
Hall2制御機械カンパニー:ヒト型双腕協働ロボット、スカラ型双腕協働ロボット/各種ロボットシステム/BEV用インバーター、モーター、各種コントローラ
Hall3工作機械カンパニー (超精密加工機):超精密マシシングセンタ/超精密非球面加工機、精密非球面加工機/移動金型式ガラス素子成形装置、高精度スライサ
Hall4 成形機カンパニー (射出成形機、押出成形機)=全電動式射出成形機、各種射出成形システム、高せん断加工装置+射出成形機(薄肉成形)、二軸混練押出機・同機を使った押出流動センシング+電力監視モニタ
技術セミナー会場:各技術セミナー
Hall5特別セミナー、技術セミナー会場:特別セミナー、各技術セミナー
Hall6成形機カンパニー(押出成形機):ロールツウロール式両面UV転写装置/同時二軸延伸機/シート製造装置、高せん断加工装置
Hall7成形機カンパニー(押出成形機):二軸延伸フィルム製造装置
Hall8成形機カンパニー(押出成形機):二軸混練押出機
Hall9 (御殿場) :工作機械カンパニー (工作機械)=門形マシニングセンタ、テーブル形横中ぐりフライス盤/ターニングセンタ/FSW(ワーク展示)
成形機カンパニー(ダイカストマシン):ダイカストマシン、サージカットブースト装置
特別セミナー、技術セミナー会場:特別セミナー(沼津と中継)、各技術セミナー

■ことラボセレクト:数多く発表される新商品・新技術の中で着目したものを紹介する。

(1)射出成型機 超大型全電動式射出成形機「EC3000SXⅢ」

大型樹脂部品の成形に対応
 自動車のEVシフトの流れが加速する昨今、EC3000SXⅢは車体軽量化に伴う大型樹脂部品の需要拡大に対応する。また、EC3000SXⅢのハイサイクル成形、省エネ性能はお客様のLCA*向上にも貢献する。
*LCA:Life Cycle Assessmentは、SDGsに貢献する取り組みで、製品の製造から利用、廃棄までの全工程(ライフサイクル)で排出される環境汚染物資の量をデータベース化された資料から積算して評価する方法。
◆業界最高のドライサイクルタイム(金型に優しく、速い型締Solid Clamp搭載)
高剛性トグル機構(Solid Clamp)は金型に均一な型締力を伝え、低い型締力で効率よく成形品のバリ発生を抑制する。
◆段取り時間の大幅短縮(高速型厚調整仕様)
多品種少量生産で発生する頻繁な金型交換で、型厚の異なる金型でも型厚調整時の移動速度を5倍速可し段取り時間を大幅に短縮
◆高可塑化能力・高混練のESBスクリュー
自動車バンパーやインパネ材に使われるオレフィン系樹脂に対する高可塑機能力・高混錬のESBスクリューを新開発。ハイサイクル成形でも安定した樹脂溶融状態を実現

(2)工作機械 超精密加工機「ULC-100F(S)」と「ULG-100D(5A)」

超精密加工機「ULC-100F(S)」

超精密加工機「ULG-100D(5A)」

超精密加工分野でも活躍する
 工作機械業界初となる超精密加工機向けサーボ式真直度誤差補正機能を開発。
 超精密加工機ULC/ULGシリーズ向けに、工作機械業界初となる案内面の真直度誤差を低減するサーボ式真直度誤差補正機能を開発。モバイル機器、自動車市場において発展する光学部品市場に対し、金型部品の更なる高精度化を提案している。
◆進行方向及び進行方向に対する直交成分を含む位置決め技術を確立すると同時に遅れゼロフィードバックを達成する高機能型処理回路基板を開発した
◆有限形V-V転がり案内の特長である加工精度の安定性と再現性を維持しつつ、工作機械では世界最高水準となるナノメートルオーダーの真直度を実現
◆特定波長域が性能に影響する光学部品に対し、真直度起因のうねり成分が低減することにより高品位な超精密加工が可能

(3)産業用ロボット 双腕協働ロボット ヒト型「RIDRS-H」と「スカラ型RIDRS-S」

ヒト型RIDRS-H

スカラ型RIDRS-S

産業用ロボット分野でも活躍する
 双腕協働ロボットRIDRSシリーズに「ヒト型RIDRS-H」と「スカラ型RIDRS-S」を投入。
 双腕協働ロボット、ヒト型RIDRS-H、スカラ型RIDRS-Sの2機種を同時開発、販売を開始。
 ヒト型、スカラ型ともに、可搬質量は片腕6kg、両腕で 10 kgを実現、協働ロボットの安全規格(ISO 10218-1, ISO TS 15066等)を取得見込み。

◆ヒト型
・軸構成は、片腕7軸、腰2軸で合計 16 軸。人の関節数と同様に片腕7軸であるため、把持している製品の持ち替え、方向転換等において、現場で人が行っていた動作の再現が容易
・腰軸に2軸(回転と屈曲)を持つことで、両腕で把持したままの振り返り作業が可能で、人作業をそのまま置き換えられることが特長
◆スカラ型
・軸構成は、片腕4軸、腰1軸で合計9軸。従来のスカラロボット動作に加えて、腰軸の回転により、配膳等の狭いスペースで両腕を使用した組み立てや搬送作業に適したロボット
・スカラ型は操作がしやすく、重力方向への剛性が高いため、製造現場に多く見られる鉛直方向の作業、水平方向への搬送など、従来の人作業を自動化する幅広い適用用途が見込まれる
◆省スペース
・長尺ワークの搬送は従来大きなハンドが必要となり、それに伴いロボットは大型化、設置面積を広く必要とする傾向があるが、双腕協働ロボットは、両腕把持+旋回で省スペース化を実現
・協働運転モードでは、適切なリスクアセスメントにより、最小限の安全方策に留める事で、現場設置面積の縮小に貢献
◆治具レス(両腕作業)
・単腕の自動化では製品ごとにワーク固定治具や反転治具を必要とする作業でも、双腕であれば、片腕で製品を持つ、あるいは押さえながら、もう片方の腕で別の作業(組み立て、ねじ締めなど)をすることで、専用治具を減らす効果が期待できる

 日本の製造業は大きな変化の波に直面しているが、芝浦機械のような総合力を持つ企業が元気であれば安心できる。3年ぶりの開催が楽しみだ。