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ー 科学と技術で産業を考える ー

ことラボ・レポート

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日工会の月例記者会見(5月)

2023 年 05 月 31 日

 (一社)日本工作機械工業会は、5月 24 日に4月分の受注額確定値を発表した。

工作機械の受注状況【4月確報】※速報値は5月 15 日発表 

1.概況(4月の受注):
受注総額 受注総額は、1,326.9 億円
(前月比△ 5.9 %:2ヵ月ぶり減少、前年同月比△ 14.4 %:4ヵ月連続減少)
受注総額 受注総額は、2カ⽉ぶりの 1,400 億円割れも、2カ⽉連続の 1,300 億円超
1,000 億円超は 27 カ⽉連続で、期末効果の反動減も堅調⽔準を維持

(1)内需 417.2 億円(前⽉⽐ △ 15.5 % 前年同⽉⽐ △ 21.5 %)
 期末効果の反動により前⽉⽐減少も、2カ⽉連続の 400 億円超
 ⾃動⾞や半導体関連に弱さがみられるものの、⼀般機械等が下⽀え
 ・2カ⽉連続の 400 億円超
 ・前⽉⽐2カ⽉ぶり減少 前年同⽉⽐8カ⽉連続減少
 ・期末効果の反動減により前⽉⽐減少。⾃動⾞や電気・精密は弱含み

■一般機械(産業機械等・金型)向け受注
・⼀般機械計は、2カ⽉ぶりの 200 億円割れ。産業機械等は、2カ⽉連続の 150 億円超
・⾦型は、2カ⽉連続の 35 億円超でリーマンショック以降の最⾼額を記録(従来 2021 年9⽉:37.6 億円)
・産業機械等が期末効果の反動減で減少する⼀⽅、⾦型は⾼⽔準の受注を記録

■自動車(自動車部品・完成車メーカー)向け受注
・⾃動⾞計は、2カ⽉連続の 80 億円超
・⾃動⾞部品は、2カ⽉ぶりの 60 億円割れ。完成⾞は3カ⽉連続の 20 億円超
・⾃動⾞関連需要は、部品、完成⾞とも盛り上がりに⽋ける状況が継続

(2)外需 909.7 億円(前⽉⽐ △ 0.7 % 前年同⽉⽐ △ 10.7 %)
 2カ⽉連続の 900 億円超。
 前月比 2ヵ月ぶり減少   前年同月比 4ヵ月連続減少
 中国、アメリカの減少分をインド、欧州が荻名合う形で前月比微減。高水準持続

■主要3極別受注
①アジア
 アジア計は、2カ⽉連続の 400 億円超
 東アジアの減少をその他アジアがカバーし、 堅調⽔準持続
-東アジアは、3カ⽉ぶりの 300 億円割れ
 -中国は、3ヵ月ぶりの 260 億円割れ
-その他アジアは、インドの増加が寄与し、4カ⽉ぶりの 100 億円超
 -インド(66.5 億円)は、電気機械での大型受注により、2022 年 12 月(76 億円)に次ぐ過去2番目を記録

②欧州
 欧州計は、3カ⽉ぶりの 200 億円超
 “その他の⻄欧”等が増加に寄与
-ドイツは、8カ⽉連続の 40 億円超と堅調持続
-イタリアは、2カ⽉連続の 30 億円超
-イギリス(26.5 億円)は、9カ⽉ぶりの 25 億円超
-トルコ(23.3 億円)は、2カ⽉ぶりの 20 億円超

③北⽶
 北⽶計は、2カ⽉連続の 250 億円超と堅調持続
-アメリカは、23 カ⽉連続の 200 億円超
-メキシコは、3カ⽉連続の 10 億円割れ

■「一般産業」では対前年同月比で△ 13.3(8ヵ月連続減少)、「自動車」では同じく△ 38.3(6ヵ月連続減少)と、“過熱気味”だった工作機械受注額が、“高止まり”状態から“下降局面”に入ったようだ。しかし受注残が約 8,685 億円と、高額なままが継続している。暫くハイな状況が続きそうです。