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ことラボ・レポート

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スギノマシン/「『高濃度 CNF/天然ゴムマスターバッチ』を開発・販売」

2023 年 06 月 22 日

 株式会社スギノマシン(代表取締役社長:杉野 良暁)は、天然物由来のセルロースなどを原料としたナノファイバー*¹(商品名:BiNFi-s)の開発を進める過程で、自社のセルロースナノファイバー(CNF)を少量添加した天然ゴム(NR)複合体に、他の補強材添加では見られない、ユニークな補強特性を見出しました。この成果の早期実用化を図るため、固形ゴムと容易に複合化できるよう、予め NR に高濃度の CNF を配合させた「BiNFi-s/NR マスターバッチ」を開発し、6 月にサンプル販売を開始しました。同アイテムに関する技術情報はテクニカルレポートとしてホームページで公開します。

1.開発背景
 NR はゴムの木から採取される天然物由来のサステナブルな材料で、機械的強度、反発弾性、耐摩耗性に優れており、タイヤやホース、防振ゴムなど幅広く使用されています。一般的に NR にはフィラー補強材)としてカーボンブラック(CB)が多く使用されており、多くのゴム製品が黒色なのはこの CB の色によるものです。CB は石油化学製品で比重が約 2 と大きいため、それに代わり天然物由来で CB より軽量な CNF を活用する研究開発が盛んに行われています。当社では、CNF を少量添加した NR 複合体は初期モジュラス*² が大幅に向上すること、また添加する CNF の繊維長によってCNF/NR 複合体の物性が異なることを見出していました)。

補足
*¹ ナノファイバー
 繊維を直径 100 nm 以下、長さ 数 µm のサイズへ微細化したもの。
*² 初期モジュラス
 概ね 300 %以下の低ひずみ領域での応力値。ゴム業界ではあるひずみでの応力値のことをモジュラス
と呼ぶ。

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