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ー 科学と技術で産業を考える ー

ことラボ・レポート

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アマダ、Amada Global Innovation Center (AGIC) を開設

2023 年 02 月 15 日

 株式会社アマダ(神奈川県伊勢原市、代表取締役社長:磯部 任)は、2023年2月3日に神奈川県伊勢原市の本社に「Amada Global Innovation Center」(以下AGIC:エージック)をオープンした。AGICは、従来のイノベーションセンターを全面的に改良したもので、これまで「EAST」「WEST」と呼ばれていたショールームが「Innovation LABO」「SITE 01」と改称されて全く新たな機能を付された。記者会見に臨んだ磯部任社長は「構想に3年かけた」と語った。

オープニングセレモニーで挨拶する磯部任代表取締役社長

 アマダは1978年に「アマダ・マシンツールプラザ」を開設し独自の直販方式で業績を伸ばし、10年間で60万人を誘客したという。1992年には、「FORUM246」などが完成し第2世代の「アマダ・マシンツールプラザ」がスタート(2005年に「実証加工センター」となりその後、「アマダ ソリューションセンター」と成長した)、バブル経済崩壊後の多品種少量、変種変量生産時代に対応して「エンジニアリングのアマダ」として事業展開していった。それから約30年が経過して、これからのアマダを貫くコンセプトの“技術志向”“お客様とともに”をより強化して今回のAGICの完成となった。
 AGICの基本理念は「お客様とともに金属加工の未来(あす)を共創する空間」とある。世界のお客様が求める「新素材や新加工技術への対応」、「自動化・生産性の向上」という山積み課題を解決し、生産革新の提案をすることを目的に新設された。延床面積約30,000㎡で業界世界最大規模の最新鋭の機能を有している。

AGICを紹介する山梨貴昭取締役専務執行役員

 これまでメーカーの展示場は、販売促進機能を全面的に打ち出し、機械本体を展示し使用時の機器類やソフトウェアを紹介し、さらに素材や関連商品も紹介してきた。アマダも同様に「エンジニアリングのアマダ」を謳い、「イノベーションセンター」(富士宮)や「ソリューションセンター」(伊勢原)を機能させていた。アマダは板金機械を中心に、製造現場の情報化を積極的に推進してきたが、今回のAGICはさらに“お客様とともに歩む”姿勢を進めた。今回は90機種のうち85%を新製品にしたが、ここまで高い比率は初めてだ。

Innovation LABO

 まずお客様専用のラボスペース「Innovation LABO」(プライベート空間)が10室設けられた。明るく間取りされた各部屋は、気密性を高めるために完全に個室で、申し込んだユーザーとアマダのスタッフだけが入室できる。アマダの最新機械を使い、自分だけの問題解決策を見つけ出す仕組みだ。向い側の「Innovation SITE」は、板金、切削、プレスなどの各商品エリアでありながら、単なるマシンの展示に留まらず「何ができる」から「なぜできる」をコンセプトに、要素技術や機構や構造などの最新テクノロジーを体感できる仕組みだ。

「何故できる」に新しい狙い
 「何故できる」かを知ることは、その先の可能性を予測できることを意味する。それまでは完成した機能や技術を説明して理解してもらうことが販売促進活動の眼目だったことを考えると、さらに一歩踏み込んでユーザーに寄り添うことになる。「何故できる」を訴求する姿勢が新しいアマダを感じさせている。 当日は12時より「Innovation SQUARE」でオープングセレモニーが行われ、テープカットで華やかにオープンセレモニーがお開きになった。

テープカットの様子