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日本工作機械輸入協会 元専務理事 山下 敏久/【連載#8】「日本工作機械輸入協会 専務理事としての8年間」
日本工作機械輸入協会
元専務理事
山下 敏久(やました としひさ)
1948 年 11 月19 日生 広島県出身
1972 年 機械商社(広島) 入社
1980 年 千代田機械貿易(現シーケービー)広島営業所入社
2012 年 同社を定年退職
2013 年 日本工作機械輸入協会 専務理事就任
2021 年 専務理事退任、顧問に就任
1955 年に設立された日本工作機械輸入協会は、今年で 67 年を迎える。金属切削型工作機械、鍛圧機械、測定・検査機器、産業ロボット、CAD/CAM システム、切削工具、工作用付属機器等 金属加工製造設備及び技術の健全な輸入の発展と会員共通の利益を増進するための事業を行うことを目的に活動を開始した。
この輸入協会の専務理事として、2021 年まで活躍された。
《第 8 回》 海外ツアーについて①
海外ツアーは、毎年のように企画するわけだが、一番気をつかうのは視察団での訪問先であった。まずは訪問先のメーカーにあたりをつけ、その上で行きたい観光地の検討を行う。
日程と行く場所の距離感などについては旅行会社の JTB殿 に協力いただいた。特にベテラ ン添乗員さんとは、一回目のシカゴから意気投合して、毎年逆指名をする形でスケジュールを確保してもらった。非常に頼もしい人であり、2020 年のツアーが新型コロナの影響で中止となったのは残念だったが、今でも連絡を取り合う友人である。
ツアー途中で気がついたことがあった。
各ツアーの際、全員が集合して添乗員さんが人数をカウントするのに非常に時間がかかる。そ こで、5~6 人程度の班を編成し、班長は独断で私が決めた。これにより、集合時には各班 の班長が集合していることを報告し、班長から添乗員さんへ報告するという流れがスムーズに なった。これなら班の中で顔見知りになれるし、仲間意識も生まれる。一石二鳥だった。
最近では、台湾の TIMTOS にもツアーを組んで出かけることにしている。
ペンを取っているうちに思い出したことがある。
2015 年のイタリア ミラノに到着後、まったく声が出なくなったことがあった。行きの飛行機内で乾燥のために喉をやられたらしい。何度か海外に行っているので、マスクなどの乾燥対策はしていたのだが、なぜかやられてしまった。寝込むほどではなかったが、とにかく 声が出ないのは困りもので、通関の際も身振り手振りを交えて最後は相手にやっと理解してもらうことができて入国することができた。それ以降も、展示会や訪問先のメーカーでも 回復せず、とうとう帰国するまで一言も声を発することができなかった。 当時の中川貴夫会長や他の参加者の皆様には多大なご迷惑をおかけしました。 自分としては、まるで浄瑠璃や歌舞伎の黒子状態のようだった(静かで良いという人もいたが、、、)。持参の風邪薬はすべて飲み干してしまい、同行していた方々から薬を分けてもらい何とか過ごしていたが、食事ものどを通らず、食べられるものはスープとアイスクリーム のみだった。そんな中でも、ベネチアで食べたピスタチオ入りのアイスクリームの味は今も 忘れられない思い出である。
ベネチアを訪問した時、丁度大潮の時でサンマルコ広場にいると排水溝から見る見るうちに海水が上がってきて、たちまちのうちに広場が水浸しとなっていった。そこは地元の人は慣れているもので、どこからか台をもってきて渡り廊下をたちまち作り、観光客はその上を歩いて寺院やレストランに入っていっていた。面白く、貴重な体験ができた。