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日本工作機械輸入協会 元専務理事 山下 敏久/【連載#2】「日本工作機械輸入協会 専務理事としての8年間」

2022 年 03 月 25 日

日本工作機械輸入協会
元専務理事
山下 敏久(やました としひさ)

1948 年 11 月19 日生 広島県出身
1972 年 機械商社(広島) 入社
1980 年 千代田機械貿易(現シーケービー)広島営業所入社
2012 年 同社を定年退職
2013 年 日本工作機械輸入協会 専務理事就任
2021 年 専務理事退任、顧問に就任
 1955 年に設立された日本工作機械輸入協会は、今年で 67 年を迎える。金属切削型工作機械、鍛圧機械、測定・検査機器、産業ロボット、CAD/CAM システム、切削工具、工作用付属機器等 金属加工製造設備及び技術の健全な輸入の発展と会員共通の利益を増進するための事業を行うことを目的に活動を開始した。
 この輸入協会の専務理事として、2021 年まで活躍された。


《第 2 回》 専務理事への就任

 私が正式に専務理事となったのは2013年5月に開催された総会後のことである。最初に取り組んだのは暗いイメージの協会事務所を明るくすることだった。その為に、それまでかかっていた厚手でくすんだ色合いのカーテンをやめて明るいブラインドに変更することにした。
 協会の財源を考え、大家さんに無償で交換してもらおう、と考えた。早速、大家さんとの交渉が始まった。
「このカーテンはもともとついていたものらしいが、ここを借りてから50年になろうとしている。これまで一度も交換を依頼した形跡がない」
「窓にカーテンなどの遮蔽するものは、もともと借りる前から普通ついているものと思われる」
「よって、ここまで古くなったカーテンを新しくブラインドに交換するのは、大家さん側の負担で行ってもらいたい」等の理由を説明し、無償で交換していただいた。ブラインドへの交換後はとても明るい事務所となった。
 交換にあたってはこちらの要望を100パーセント聞いていただき、サイズ等特注品となった。大家さんには感謝しかない。
 専務理事としての仕事を早く把握するために過去の資料を整理するところから取り掛かった。いざ開始してみると背表紙のない資料が沢山出てきた。それらをまとめて背表紙をつけて、資料がすぐに見つかるようにした。また、何年も前の全く不要な資料は、片っ端から廃棄処分した。これでロッカーにスペースを作り余裕をもって資料整理ができるようになった。
 最初の仕事は理事会の準備だった。理事会は月一回開催される輸入協会運営の最高会議なので随分と気が張っていた。開催までに輸入統計データを関税協会から入手し、表にして昨年度と比較し世の中の情勢を鑑みて説明をするわけである。アンテナを高くし、新聞記事、各工業界の予測も調べて説明するのだが、理事の方達は既に色々と情報をお持ちなので改めて質問が来ることはなかった。後は企画委員会が月一で開催される。これは今まで副委員長として参加していたので手慣れたものであった。
 他の工業団体との付き合いでは日本工作機械工業会(日工会)殿、日本工作機械販売協会(日工販)殿と日本精密機械工業会(日精工)殿と親密な付き合いをしてきた。日工会殿は一般社団法人で、より国に近い団体であり、工作機械業界では筆頭の団体である。日工販殿、日精工殿は輸入協会と同じ任意団体でそれなりに仲間意識があり、お互いに経済産業省殿や、他の工業会殿との情報交換をするお付き合いで、専務理事が交代されてもおつきあいをさせていただき、後任の勝又峰行新専務理事にうまく引き継いで行けたと思っている。
 法律や決まり事などの内容を把握し、会員会社に周知したりして、会員のお役に立つ仕事をこなしてきた。工業団体に加盟していれば、どこに話していいかわからないことも大きな声となって外へ届けることができる。よき仲間を増やすことが小人数で仕事をこなす時にはおおいなる武器となってくる。とにかく味方を増やすことである。敵の中にも味方を作る。これがポイントだと思っている。