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ー 科学と技術で産業を考える ー

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世界の展示会 

2021 年 11 月 11 日

 部品メーカーで働いています。先日、名古屋で《MECT2021》という展示会がありました。先輩と一緒に視察したのですが、たくさんの機械を見ることができてとても面白かったのですが、《MECT》は2年に1回しか開かれないと聞きました。このような展示会は、他にはどこに行けば見ることができますか。

回答者:株式会社ことづくりラボSTI 代表 岩波 徹

 展示会については、「何をテーマに」、「どこで」、「どのようなサイクルで開催されるか」を知ることが大切です。また来場者がどれだけ来ているかも大きなポイントです。多くの展示会は2年に1回のサイクルで開催されています。まず、日本国内で開催されているものづくり産業の展示会から見ていきましょう。
 《MECT(主催:㈱ニュースダイジェスト社)》は、西暦の奇数年に開催されている、日本で最大規模の工作機械展の一つです。他にはこれを上回る規模で、西暦の偶数年(2年に一度)、《日本国際工作機械見本市 JIMTOF》が、東京ビッグサイトで開催されています(主催:一般社団法人日本工作機械工業会、同:㈱東京ビッグサイト)。つまり、《MECT》と《JIMTOF》は交互年開催です。
 日本では《MECT》と《JIMTOF》が工作機械の最大規模の展示会で、しっかり見ると1日では回り切れません。足も痛くなります。現在は、新規に出展するのも希望する小間数を取ることも難しいほど、出展者が集まる展示会です。参加企業はどちらも早い段階で主催者に連絡することを勧めます。ちなみに来年の《JIMTOF2022》の出展募集(一般参加)は 11 月 30 日(火曜日)で締め切りとなります。
 《MECT》や《JIMTOF》は、マザーマシン(母なる機械)と呼ばれる工作機械の展示会で、対象となるユーザー層が自動車や航空機、家電や金型などの幅広い分野の各種ものづくり産業となります。他にも、主に鍛圧機械を対象とした《MF-Tokyo》、金型産業を対象とした《インターモールド》などが開催されています。
 続いて、世界で開催されている展示会をご紹介します。世界では《JIMTOF》よりも大規模な展示会が積極的に開催されています。
 《JIMTOF》と同じ年、つまり西暦の偶数年にはシカゴで開催されている《IMTS》とドイツのハノーヴァで開催される《EuroBLECH》、奇数年には、欧州で《EMO》が開催されます(《EMO》は、ドイツのハノーヴァで2回開催されるとイタリアのミラノでの開催となるサイクル。ハノーヴァとミラノの交互開催と紹介しているサイトがありますが、こちらが正解です)。さらに近年、規模を拡大している展示会が、北京で開催されている《CIMT》です。西暦の奇数年、つまり《MECT》と同じ年に開催されています。
 工作機械は機械を作る機械だからこそマザーマシン(母なる機械)と言われますが、軍需産業、航空・宇宙産業、医療機械から IT・先進技術など多岐に渡る非常に重要な分野です。気をつけないと規制に抵触することもある分野なので注意が必要です。

※展示会に関する情報は、歴史的展開や産業的な変化から Q&A で回答するには限界があるので、「ことラボ・レポート」で記事を掲載しています。詳しくはこちらから。