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ことラボ・レポート

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2025国際ロボット展 開催概要

2025 年 10 月 15 日

 10 月7日に(一社)日本ロボット工業会と日刊工業新聞社は、12 月3日(水)~ 12 月6日(土)の4日間、東京ビッグサイトで開催される「2025 国際ロボット展(iREX2025)」に関するプレス発表会を都内のホテルで、行った。
 今回のテーマは「ロボティックスがもたらす持続可能な社会」で、従来の「産業用ロボット」「サービスロボット」との分類を改めて日本ロボット工業会が策定した「ロボット産業ビジョン2050」に合わせる形で「スマートプロダクションロボット」「スマートコミュニティロボット」への見直しを行っている。

2025 国際ロボット展 運営委員長 小川 昌寛(㈱安川電機 代表取締役社長)

■開催概要
◆名称:2025 国際ロボット展 INTERNATIONAL ROBOT EXHIBITION 2025(iREX2025)
◆開催趣旨:国内外の最先端のロボットやAI・ICT・要素技術などロボットに関わる最新技術を一堂に集めて展示し、利用技術の向上と市場の開拓に貢献し、ロボットの市場創出と産業技術の進行に寄与する。
◆テーマ:ロボティクスがもたらす持続可能な社会
◆主催:一般社団法人 日本ロボット工業会、日刊工業新聞社
◆後援:経済産業省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、文部科学省、日本商工会議所、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本貿易振興機構(JETRO)、日本放送協会(NHK)
◆協賛:計測自動制御学会、情報通信ネットワーク産業協会、製造科学技術センター、
精密工学会、全日本プラスチック製品工業連合会、テクノエイド協会、日本機械工業連合会、
日本金属プレス工業協会、日本建設機械工業会、日本建設機械施工協会、
日本工作機械工業会、日本産業機械工業会、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、
日本食品機械工業会、日本鍛圧機械工業会、日本鉄鋼工業会、日本電気計測器工業会、
日本電気制御技術工業会、日本半導体製造装置協会、
日本福祉用具・生活支援用具協会、日本福祉用具供給協会、日本物流システム機器協会、
日本フルードパワー工業会、日本ベアリング工業会、日本ベルト工業会。日本防錆技術協会、
日本包装機械工業会、日本溶接協会、マイクロマシンセンター、AIロボット協会、
ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会 以上 32 団体
【リアル会場】
◆会期:2025 年 12 月3日(水)~ 12 月6日(土) 10:00~17:00
◆会場:東京ビッグサイト 西1~4ホール/東4~8ホール/アトリウム
※12 月6日(土)のみ南3ホールを使用
◆入場料:1,000 円 ※入場登録者、招待状持参者、中学生以下は無料
◆同時開催(12 月3日(水)~ 12 月5日(金)/南1~4ホール・相互入場を実施)
「洗浄総合展」、「VACUUM真空展」、「sampe Japan 先端材料技術展」「スマートファクトリーJapan」「高精度・難加工技術展」、「表面改質展」
※この同時開催の各展示会だが、日刊工魚油新聞が主催する展示会だ。これにロボットとの親和性があるのか疑問だ。上記の協賛団体は32団体もある。ロボットの持つ“汎用性”ゆえに焦点を絞り切れないもどかしさがある。この点についてプレス発表会の後半の質疑応答で小川昌寛・運営委員長が特段の意見表明があり、参考にして欲しい。
【オンライン会場】
◆会期:2025 年 11 月 19 日(水)~ 12 月 19 日(金)
◆会場:オンライン上 https://irex.nikkan.co.jp/online/
◆入場料:無料〔登録制〕
【開催規模】
合計 673 社・団体 3,334 小間 (前回 2023 年 654 社・団体 3,508 小間)
※前回比 19 社・団体増加で加工最多
【小間数内訳】

【海外出展者数】
14 ヵ国 140 社」481 小間(前回:18 ヵ国 121 社 443 小間)
※前回比 21 社・団体 38 小間増
今回展の出展国:米国、イスラエル、イタリア、オーストリア、カナダ、韓国、シンガポール、スペイン、台湾、中国、デンマーク、ドイツ、フランス、フィンランドの 14 ヵ国
【本展のみどころ】
① 「スマートプロダクションロボット」と「スマートコミュニティロボット」の二分野にリニューアル
 今回より、製造業・建設業・農林水産業を支え、活躍するロボットを対象とした「スマートプロダクションロボット」と、地域および日常生活の中で、健康かつ安全・安心な社会を支え活躍するロボットを対象とした「スマートコミュニティロボット」の二分野に出展区分を変更した。
各分野の出展傾向を見ると「スマートプロダクションロボット」では、搬送・仕分け・ピッキングが最も多く、次いで組立、測定・検査となる。また「スマートコミュニティロボット」では、最多が配送分野で続いて医療となる。トレンドとしてAIを活用したロボットやソリューションの展示が増加している。なお、ロボットに欠かせない要素技術の分野では、駆動・センサ・制御系の出展が最多となっている。
②3つの併催ゾーンでも注目システム・技術が目白押し
 恒例となった「ロボットSierゾーン」「部品供給装置ゾーン」「物流システム・ロボットゾーン」を今回も設置。ロボット導入に欠かすことのできないインテグレータ企業による各種ソリューションの紹介やパーツフィーダの最新技術の紹介、また物流問題を解決するロボットシステムやAIを活用した自動化ソリューションなど見逃せない展示が行われる。
③海外出展者は過去最大規模
 海外出展者は 14 ヵ国から 140 社・団体が参加し、過去最多の社数となる(前回比+ 21 社)。全出展者の約2割強を占め「iREX」ブランドは海外でも広く認知されてきた。
さらに海外向け来場プロモーションにも注力しており、今年は約1万人の海外来場者を見込む(前回 9,035 名)。
④最新のロボット業界の動向を知ることができるステージが目白押し
 メインステージ(会議棟1階レセプションホール)では、経済産業省によるRINGプロジェクトの紹介のほかロボットメーカとユーザが一堂に会するiREXフォーラムを開催。また海外のロボット団体による各国のロボット同行紹介、「ヒューマノイドロボット」、「スマート農業」、「AI」などをテーマとしたステージを開園する。
⑤併催企画ではリクルーティング企画を初開催
 12 月5日(金)~6日(土)には、西展示棟アトリウムで「iREXリクルート&業界研究フェア」を初開催する。ロボット業界に興味を持つ学生と企業の橋渡しの場を創出することが目的。実際に展示ブースで製品を見たうえで、関心を持った企業の担当者と直接話ができる。ロボット業界に関心がある学生に参加を呼び掛けている。
【iREX ONLINE】
会期:11 月 19 日(水)~ 12 月 19 日(金)
恒例のオンライン展示会《iREX ONLINE》を開催。
リアル会場の会期中はもちろん、会期前後もオンライン出展者の展示やウェビナーなど閲覧できる。
《iREX GO》はよりみやすくなってリニューアルされる。
気になる画像から出展者が研削でき。企業・製品との新たな出会いのツールをして活用できる。
iREX ONLINE ⇒https://irex.nikkan.co.jp/online/
【メインステージ】
◆会場:会議棟1階レセプションホール 定員:500 名(超硬無料)
「ロボット」というキーワードから広がる、バリエーション豊かなステージプログラムを開催する。
★ 12 月3日(水)
■RINGプロジェクト全国フォーラム~オールジャパンでのロボット社会実装の推進に向けて~(仮)
登壇:経済産業省
ロボットをキードライバーに持続可能な地域社会の実現をめざすことを目的に、今年6月に設立した「全国ロボット・地域連携ネットワーク(RINGプロジェクト)」について、その意義や活動内容などを紹介する。
■iREX ロボットフォーラム2025「未来のモノづくりを変えるロボットソリューション」
主催:日本ロボット工業会、日刊工業新聞社
AIの導入やロボットソリューションの進化により、ロボットの活動範囲が拡大している。ロボットとメーカとロボットユーザ各社よる最新の事例を交えて未来のモノづくりの現場に向けてディスカッションを行う。
■ヒューマノイドロボットフォーラム
AI技術の発展や労働力不足の解消手段として、ヒューマノイドロボット(人型ロボット)の界h月は各国で急速に進んでいる。このステージでは国内外の注目企業がヒューマノイドロボットを取り巻く現状と未来について報告される。
★12 月4日(木)
■IFR-iREXインターナショナルロボティクスフォーラム
「世界のロボット市場の最新動向―主要国における『ロボット5第トレンド』の玄奘と展望」
主宰:国際ロボット連盟(IFR)/日本ロボット工業会/日刊工業新聞社
産業用ロボットやサービスロボットは、世界的に今後ますます導入が進むことが期待されている。本フォーラムでは、まず国際ロボット連盟(IFR)より世界のロボット市場の最新動向に関する講演を行う。続いてIFRが 2025 年のロボット5題トレンドとして掲げる「AI、ヒューマノイドロボット、サステナビリティ、ロボットの新たなビジネス領域、労働力不足への対応」をテーマに、主要国の玄奘と展望についてプレゼンテーションとパネルディスカッションを行う。
■スマート農業の今後の展開~先端技術が拓く新しい農業~(仮)
主催:農林水産省
農業の担い手の減少などをきっかけにますます注目を集める「スマート農業」について、法制度や官民の推進体制の整備など近年の施策の動向を踏まえ、様々な立場のステークホルダが集い議論する。
★12 月5日(金)
■工場長サミットin国際ロボット展~AI for Industry~
主催:モノづくり日本会議/日刊工業新聞社
工場長サミットは現場を起点に意思決定する製造現場のさまざまな部門のリーダが、講演や交流会を通じて主役となるカンファレンス。今回のテーマはAI。安川電機の小川昌寛社長の講演の他「NEDO」セッション喉を開催し、ロボティクスAIの未来を提示する。
【サポーターの紹介】
■2025 国際ロボット展サポーター『井上咲楽(いのうえ・さくら)さん』
国債ロボット展は、新たなテクノロジーや未来の可能性と出会うことが出来るイノベーション創出の場でもある。
より幅広い世代にロボット産業の広がりを知っていただくため、
この度「国債ロボット展サポーター」として井上咲楽さんが就任した。
《井上咲楽さんのプロフィール》
1999 年 10 月2日生まれ 栃木県出身
2015 年『第 40 回ホリプロタレントスカウトキャラバン』特別賞授賞、芸能界入り
当初は太い眉毛がトレードマークだったが、現在は卒業し、バラエティ番組などで活躍中・
ABC『新婚さんいらっしゃい!』の8代目アシスタントやNHK『サイエンスZERO』のMCを努めている。
■2025 国際ロボット展 スペシャル対談映像
国債ロボット展サポーターに就任した井上咲楽さんと、本店を代表して国際ロボット展・運営委員会の小川昌寛委員長とのたいだ映像を作成。公式Webサイトや展示会内ビジョン等で放映予定。

会場には井上咲楽さんからビデオメッセージが届いた

※記者の目:人手不足にも拘わらず生産性の向上は求められ、制御と通信速度の高速化さらに用途拡大も伴い「ロボット産業」には無限の可能性がある。しかし“あれも、これも”と手を広げると「何が大事なのか」は伝わらなくなる。今回展がそれではないか、と不安になる。しかし記者会見の席上、小川委員長が個人の見解と断ったうえで、ロボットを囲む現状を語った。これは次回に紹介するが、記者個人にとっても頭の中が整理された印象を持っている。
また「サポーター」の必要性が判らない。前回から登場したと思うが顔を見たことのある可愛いタレントさんが所在無げに会場をうろついているのを見て「何のために」と聞くと、ロボット工業会からは「あれは日刊工業が進めたから」と、共済スタイルの悪い面が出ていた。
ロボット展は、大げさに言えば「ヒトの展示会」にも置き換えられる。社会の中でヒトは何を期待されているのか哲学こそが大事なのだと思う。