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日工会の月例記者会見(2024年6月)
(一社)日本工作機械工業会は、6月 25 日に5月分の受注額確報値を発表した。
工作機械の受注額【5月確報】 ※速報値は6月 11 日発表
1.概況【5月受注】:
受注総額:
1,245.3 億円(前月比+ 3.0 %(2ヵ月ぶり増加)、前年同月比+ 4.2 %(17 ヵ月ぶり増加))
受注総額は、3カ⽉連続の 1,200 億円超で 17 カ⽉ぶりの前年同⽉⽐増加
外需中⼼に堅調な⽔準で、底打ちの気配
(1)内需 348.4 億円(前⽉⽐ △ 4.2 % 前年同⽉⽐ △ 7.9 %)
GWの営業⽇減等もあり、3カ⽉ぶりの 350 億円割れ
主要業種を中⼼に慎重姿勢が続くが、本年1、2⽉よりは⾼い⽔準
(2)外需 896.9 億円(前⽉⽐ + 6.1 % 前年同⽉⽐ + 9.8 %)
主要3極はすべて前⽉⽐増加。2カ⽉ぶりの 850 億円超で 900 億円に迫る
年初から欧州、北⽶は横ばい圏内の動きも、アジアは増加傾向
⇒5⽉の受注は、緩やかな増加傾向が⾒られるものの、 本格的な受注の回復時期等について、今後の動向を注視
2.内需【5⽉分】
内需 348.4 億円(前月比 △ 4.2 % 前年同月比 △ 7.9 %)
(1)内需総額
・3カ⽉ぶりの 350 億円割れ
・前⽉⽐ 2カ⽉連続減少 前年同⽉⽐ 21 カ⽉連続減少
・GWの営業⽇減等で前⽉⽐減少。主要業種を中⼼に⼒強さに⽋ける状況が継続
(2)業種別受注
・主要4業種:「一般機械」「自動車」「電気・精密」「航空・造船・搬送用機械」
前月比 :「一般機械」のみ増加
前年同月比:「電気・精密」と「航空・造船・輸送用機械」が増加
・全 11 業種中
前月比 :減少7業種 (「官公需・学校」「鉄鋼・非鉄金属」等)
前年同月比 :減少 7業種 (「官公需・学校」「鉄鋼・非鉄金属」等)
「鉄鋼・⾮鉄⾦属」は3ヵ月ぶりの 10 億円割れで、前年同月比3カ月ぶり減少
主要4業種
(3)一般機械(産業機械等・金型)向け受注
・⼀般機械計は、2カ⽉ぶりの 140 億円超
・産業機械等は、2カ⽉ぶりの 130 億円超。⾦型は、3カ⽉連続の 15 億円割れで本年最低額
・内需計に⽐べ、前年同⽉⽐の減少幅は依然⼤きく、調整局⾯が継続
(4)自動車(自動車部品・完成車メーカー)向け受注
・⾃動⾞計は、3カ⽉ぶりの 80 億円割れ
・⾃動⾞部品も、3カ⽉ぶりの 60 億円割れ。完成⾞は4カ⽉連続の 20 億円超
・⾃動⾞は、2022 年後半から受注の低迷が続いており、底這い状態
3.外需【5月分】
外需 896.9 億円(前月比 + 6.1 % 前年同月比 + 9.8 %)
(1)外需総額
・2カ⽉ぶりの 850 億円超 880 億円超は5カ⽉ぶり
・前⽉⽐ 2カ⽉ぶり増加 前年同⽉⽐ 17 カ⽉ぶり増加
・前⽉⼤型キャンセルがあった北⽶が数字を戻した他、主要3極すべてで前⽉⽐増加
(2)主要3極別受注
①アジア
アジア計は、中国の続伸もあって、 2カ⽉連続の 400 億円超と堅調⽔準
-東アジアは、台湾、中国で前⽉⽐増加し、14 カ⽉ぶりの 330 億円超
-中国は、⼀般機械等が増加し、3カ⽉連続の 250 億円超(270 億円超は 14 カ⽉ぶり)
-その他アジアは、タイやシンガポールで前⽉⽐⼤幅増加したものの、インドで減少し、2カ⽉ぶりの 100 億円割れ
-インドは、前⽉のまとまった受注の反動減も、 7カ⽉連続の 40 億円超と堅調持続
アジアの受注額
アジアの業種別受注
・主要4業種は、すべて前年同⽉⽐増加
・⼀般機械は、韓国、中国、タイ、インド等で前⽉⽐増加し、4カ⽉ぶりの 140 億円超
・⾃動⾞は、中国、インドで前⽉⽐減少も、韓国、タイ等で増加し、2カ⽉連続の 130 億円超
・電気・精密は、台湾や中国等で前⽉⽐増加し、2カ⽉ぶりの 80 億円超
・航空・造船・輸送⽤機械は、前⽉のまとまった受注の反動減も、2カ⽉連続の 10 億円超
②欧州
欧州計は、EU等で前⽉⽐増加も、 5カ⽉連続の 180 億円割れと⼒強さに⽋ける
-ドイツは、前⽉⽐増加も2カ⽉連続の 40 億円割れ
-イタリアは、2カ⽉ぶりの 25 億円割れ
-トルコ(18.9 億円)は、2カ⽉ぶりの 20 億円割れも、 前年同⽉⽐は2倍以上の伸び
欧州の受注額
欧州の業種別受注
・主要4業種は、⾃動⾞を除きすべて前年同⽉⽐増加
・⼀般機械は、EUやトルコ等で前⽉⽐増加し、4カ⽉ぶりの 60 億円超
・⾃動⾞は、 イタリア、トルコ等で前⽉⽐減少し、4カ⽉ぶりの 25 億円割れ
・電気・精密は、“うち中欧”やイギリス等で前⽉⽐増加し、5カ⽉ぶりの 20 億円超
・航空・造船・輸送⽤機械は、“EUその他”やイギリス、トルコ等で前⽉⽐減少し、4カ⽉ぶりの 20 億円割れ
③北米
北⽶計は、前⽉のアメリカのキャンセルの反動増もあり、2カ⽉ぶりの 270 億円超
-アメリカは、2カ⽉ぶりの 230 億円超
-メキシコは、2カ⽉ぶりの 20 億円超
北米の受注額
北⽶の業種別受注
・主要4業種は、⼀般機械を除きすべて前年同⽉⽐増加
・⼀般機械は、メキシコで⼤型受注も、アメリカで前⽉⽐減少し、4カ⽉ぶりの 80 億円割れ
・⾃動⾞は、アメリカ、メキシコで前⽉⽐増加も、2カ⽉連続の 40 億円割れ
・電気・精密は、アメリカで前⽉⽐増加した他、メキシコでも増加し、2カ⽉連続の 25 億円超
・航空・造船・輸送⽤機械は、アメリカで前⽉⽐増加し、3カ⽉ぶりの 45 億円超
AMT事務局コメント
2024 年4⽉:3億 1,790 万ドル、前⽉⽐△ 25.6 % 前年同期⽐△ 5.4 %
「機械受注は、2021 年4Qをピークに確かに減少している。2024 年初は、2020 年以来の低⽔準だったが、4⽉までの受注は 1988 年以降の平均を5%近く上回っている。ジョブショップは低調となり、⾃動⾞は投資が縮⼩し、⾃動⾞販売も予想を下回っている。⼀⽅で、 航空宇宙産業は好調が続いている。⻑期的には総じて減少が下げ⽌まりつつあり、年内に受注活動は上向くだろう。」
【配布資料から】
(1)主要国・地域の金属加工機械(切削型+成形型)生産額
下の表は米国GARDNER Business Media, Inc.が定期的に発表しているもの。データの精度は、ベテランスタッフの退任により、以前のような正確性は期待できないとされるが、定点観察のデータとしては貴重だ。
(2)受注残統計
受注残金額:日工会によると、会員企業が持つ受注残額は 7000 億円から 8000 億円台と高額である。従来は部材が足りないと“仮発注”して少ない部材を確保しよう、という指標と見られたが、今回は、キャンセルの発生が少なく“仮”ではなく“実需”とみなされている。工作機械業界の堅調さを物語る数字なので表のようにまとめた。
次回、 2024 年6月の受注額の報告は、速報が7月9日(火)15 時、確報値は7月 23 日(火)10 時 30 分からの記者会見で。報道解禁は同日 15 時。