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スギノマシン/「【新商品】EV 部品加工に適した大型部品加工機『GIGAFEEDER』を開発」

2023 年 06 月 21 日

 株式会社スギノマシン(代表取締役社長:杉野 良暁)は、最大 6 本の主軸*¹ を有する大型部品加工機「GIGAFEEDER(ギガフィーダ)」を開発しました。EV(電気自動車)の部品で使用されている、アルミフレーム部品やバッテリートレイの加工に最適な商品です。

1.装置概要
 「GIGAFEEDER」は、当社製のドリリング・タッピングユニット「SELFEEDER(セルフィーダ)」をベースとした主軸を最大 6 本搭載できる、大型部品加工機です。#30 ツールの ATC *² が可能で、それぞれがXYZ の移動軸を保有しています。これ 1 台で、穴あけやタップ加工だけでなく、カッタやエンドミルを用いたフライス加工まで行うことが可能です。
また、広い加工エリアが特長で、アルミバンパーやシャシー、バッテリートレイといった大柄な EV 部品の切削を、省スペースで行うことができます。生産性の向上と設備投資費の抑制をまとめて実現します。

2.開発背景
 近年、世界各国でガソリン車の新車販売を廃止しようとする風潮が強くなっています。自動車メーカー各社は「次世代のクルマづくり」に舵を切っており、その最たるものである EV(電気自動車)には、ガソリン車並みの航続距離を確保することが求められています。航続距離を伸ばすためには車体の軽量化が必須で、EV部品には、従来のガソリン車にはなかった新たな材質の構成部品が増えてきました。中でも特徴的なのが、メガ(ギガ)キャスティングと呼ばれる大型アルミダイカスト部品です。
大型アルミダイカスト部品は、寸法的には大柄ですがアルミを使用しているため軽く、見た目に反して軽切削で作られます。部品が大きいことから、大型アルミ部品の加工現場では、次のような課題を抱えています。
・部品サイズに伴って加工設備本体が大きくなり、従来と比較して工場のスペースを占領してしまう
・車体構造部品のため加工精度はそれほど厳しくなく、また軽切削や穴あけ・タップ加工が中心である が、新しい部品であるため、専用の加工設備が少ない。

 これらの背景から、EV 部品の加工に十分な加工能力を持ちながらも省スペースで、単位面積当たりの生産性が高い商品を目指し、本商品を開発いたしました。

補足
*¹ 最大 6 本の主軸
 主軸は、標準 4 本<水平方向>+オプション 2 本<鉛直方向>で、最大 6 本搭載可能です。
*² ATC(Automatic Tool Changer)
 工作機械の主軸に装着されているツールと、ツールマガジンに搭載されている予備の工具を、自動で交換する自動工具交換装置。

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