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ー 科学と技術で産業を考える ー

ことラボ・レポート

最新の業界情報

日本工作機械工業会(2026年1月分)確報

NEW! 2026 年 03 月 04 日

始めに2026 年2月 26 日付、日工会発表の「まとめ」から。

1.2026 年1月の受注額(確報)
(1日工会事務局の総括~ 2026 年1月分工作機械受注確報及び受注関連状況について
1.2026 年1月の受注額(確報)
(1)総額

 2026 年1月の受注総額は 1,455 億 79 百万円となった。季節要因から前月比は▲ 8.2%と2カ月ぶりに減少したが、前年同月比は7カ月連続で増加し、増加率は 44 カ月ぶりに2割を超えた(+ 25.3 %)。2カ月連続で 1,400 億円を上回っており、外需を中心に需要の高まりが感じられる。
(2)内需
 このうち内需は 326 億 24 百万円で、年始の影響もあって前月比で▲ 18.2 %と2カ月ぶりに減少した。前年同月比は+ 2.0 %と3カ月ぶりに増加したが、依然として横這い基調が続いている。
半導体製造装置関連の需要の高まりを受けて、「電気・精密」が前月比+ 33.1 %(2カ月連続増加)、前年同月比+ 20.6 %(5カ月ぶり増加)の 52 億円と伸び、「航空機・造船・ 輸送用機械」も2カ月ぶりに 30 億円を超えた(34 億円)。一方、最大需要区分である 「一般機械」(120 億円)は、データセンター向けの発電機等一部の分野で動きが感じられるものの、産業機械全般としての盛り上がりを欠き、12 カ月ぶりに 120 億円を下回 った。
 また、中小企業ユーザの比率が高いと見られる「金属製品」(18 億円)は前年同月比で7カ月連続減少するなど、他の区分と比較してもやや低迷感が強い。「自動車」(66 億円)も2カ月ぶりに 70 億円を下回ったが、前年同月比は4カ月連続で増加しており、 昨秋からの緩やかな改善が持続していると見られる。
(3)外需
 外需は、前月比で▲ 4.9 %(2カ月ぶり減少)、前年同月比で+ 34.2 %(16 カ月連続増加) の 1,129 億 55 百万円となった。2カ月連続で 1,100 億円を超え、昨年 12 月に次ぐ歴代2位の受注額を記録した。
 欧米で期末効果が剥落した一方、中華圏では2月中旬か らの春節入りを前に受注が増加した。外需比率は 77.6 %と2カ月ぶりに過去最高を更新した。 地域別に見ると、北米(346 億円)は、「一般機械」(82 億円)が2カ月ぶりに 80 億円を超えたものの、その他の主要業種で昨年 12 月に複数みられた大型受注が剥落したのが響き、前月比で▲ 16.6 %の減少となった。
 欧州(151 億円)は、同▲ 32.2 %と北米よりも減少率が大きく、4カ月ぶりに 160 億円を下回った。昨年 12 月に複数の大型受注があったフランスをはじめ多くの国・地域で受注が減少した中、イタリアは政策動向を見据えた動きもあって増加した。なお、北米・欧州は前年同月比で見ると引き続き増加しており、1月の前月比減少は季節要因による一時的なものと見られる。
 「アジア」(618 億円)は、これまでの過去最高額(2017 年 11 月:569 億円)を大きく更新し、初めて 600 億円を超えた。中国(433 億円)は「自動車」が過去最高の 147 億円となったほか、その他の主要業種も高水準での受注が持続し、同国としても過去最高額を更新した。また、 台湾も「電気・精密」がけん引役となり 41 カ月ぶりに 30 億円を超え、インドもIMTEX 展に関連した受注等が支えとなり 60 億円弱と高水準を保った。

2.今後の見通し
 設備投資の周辺環境を見渡すと、恒常的に自動化・高効率化、環境対応に関する需要が見られ、長らく設備投資を抑制してきたユーザを中心に老朽機更新の必要性が高まっている。各国の通商政策や国際関係、主要業種の需要動向に不確実性がある中、 依然として中小企業ユーザを中心にタイミングを測る様子も窺えるが、世界各地で生産拠点の多角化・分散に伴う設備需要の増加も想定される。
 地域別に見ると、日本国内は、明確な回復感を感じるには至っていないが、データセンター関連、半導体製造装置、自動車、航空・造船などでの前向きな動きが次第に広がっていくものと期待される。
 北米は、原材料価格の高騰、トランプ政権の関税措置の動向に懸念を残すも、エネルギー、自動車、航空・宇宙関連等での旺盛な需要と、 即時償却恒久化措置や利下げの後押しが引き続き高水準での受注持続に寄与すると思われる。
 中国は、2月は春節休みの関係で一時的に受注が減少すると見られるが、自動車関連需要が今のところ高止まりしている他、エレクトロニクス製品や半導体製造装置、その他の機械部門も含め設備需要の根強さから、3月以降再び活況を呈すると見られ、インドも引き続き安定的に推移すると予想される。
 我が国では衆議院議員選挙の結果、第2次高市内閣が発足した。高市内閣は昨年 12 月に、2026 年度税制改正大綱に、企業規模を問わず、原則として全業種を対象に、即時償却又は7%の税額控除を可能とする「大胆な投資促進税制」の創設を盛り込むなど、国内の設備投資喚起の必要性を明らかにしている。2月 20 日の施政方針演説においても、我が国の潜在成長率が伸び悩んでいる主因として、国内投資が圧倒的に不足しており、その促進のために徹底的なテコ入れを行うと、改めて強い意欲の表明があったことは大いに注目に値する。
 1月 27 日の記者会見で坂元会長が指摘したように、国内製造業が設備投資に振り向ける経営余力は低く、座視していては国際競争力を大きく損ないかねない、危機的状況に差し掛かりつつある。国内企業が安心感を もって思い切った設備投資を実行するための、腰の入った基盤づくりがなされるか、 強い期待感をもって政策動向を注視していく。

以下は1月受注確定額の詳細

1.概況【1月受注】:
受注総額  1,455.8 億円 前⽉⽐△ 8.2 %(2カ⽉ぶり減少)、前年同⽉⽐+ 25.3 %(7カ⽉連続増加
受注総額は、2カ⽉ぶりの 1,500 億円割れも、前年同⽉⽐では7カ⽉連続増加。
1⽉期としては、2018 年の 1,544 億円に次ぐ、2番⽬に⾼い受注額。
(1)内需 326.2 億円(前⽉⽐△ 18.2 % 前年同⽉⽐+ 2.0)
2カ⽉ぶりの 350 億円割れ。前⽉⽐は2カ⽉ぶりの減少。
(2外需 1,129.6 億円(前⽉⽐△ 4.9 %前年同⽉⽐+ 34.2 %)
前⽉⽐は2カ⽉ぶりの減少、前年同⽉⽐では 16 カ⽉連続プラスと 持続的な増加。外需として、4カ⽉連続の 1,000 億円を超え、2カ⽉連 続の 1,100 億円超え。
⇒1⽉の⼯作機械受注は、内外需ともに前⽉⽐はマイナスも前年同⽉⽐ではプラスとなった。特に外需の伸びが寄与し、堅調に推移。 受注の先⾏きは、世界経済に不透明感のある中、概して設備投資は堅調な動きとなり、今後の需要増に期待。

月の受注(内需・外需)

受注額の月別推移

【ことラボコメント】
 1月の“速報値”(2月 10 日発表)と“確報値”(2月 26 日)は「内需」も「外需」も金額が同じだった。増減の欄に±ゼロだったのは大変珍しい現象だが考えてみるとその 16 日間に営業活動の成果がゼロだった、ともいえる。年末年始は営業活動をしなかったことを考えると、1月の 16 日間の重要さ増していたはず。ベネズエラへの米軍の侵攻が影響した、というのは考え過ぎだろうか。

■内需(1月分)
(1)内需総額:326.2 億円(前⽉⽐△ 18.2 %前年同⽉⽐+ 2.0 %
・先⽉の反動減か前⽉⽐で減少も、前年同⽉⽐では増加と堅調に推移。
・主な需要業種は、低調ながら前年同⽉⽐では増加と横ばい基調の推移。 厳しさが続く現状から政策措置による強い回復への転換に期待したい。

2)業種別受注
・主要4業種
前⽉⽐:「電気・精密」「航空・造船・輸送⽤機械」で増加
前年同⽉⽐:全ての業種で増加
・全 11 業種中
前⽉⽐:増加4業種(「電気機械」「官公需・学校」等)
前年同⽉⽐:増加7業種(「電気機械」「官公需・学校」「商社・代理店」等)

(3)一般機械(産業機械等・金型)向け受注
一般機械(産業機械等・金型)向け受注

・⼀般機械は1⽉期としてみると、やや低い⽔準ではあるが、昨年と同程度の受注額。
・建設機械は9カ⽉連続 10 億円には届かず、前⽉⽐で増加も、前年同⽉⽐では⼤きく減少と低調な推移。
・⾦型は、5カ⽉ぶりに 14 億円割れも、前年同⽉⽐では 20 %超えの増加と今後の推移に期待。

【ことラボコメント】
 金型部門は前月比で△ 35.9 %下がったが前年同月比では+ 24.6 %と増加している。グラフを見ても“長期低落傾向”と見ていたが少し上昇気流が流れ始めたような雰囲気が出ている。同時に自動車業界が動き出したのかもしれない。

(4)自動車(自動車部品・完成車メーカー)向け受注
自動車(自動車部品・完成車メーカー)向け受注

・⾃動⾞向けは、前⽉⽐で減少も、前年同⽉⽐は増加し、1⽉期としてみると依然低い⽔準ではあるが堅調に推移している。
・依然低い⽔準ながら、昨年後半からの能増投資(⼀部新⾞対応投資)の継続が⾒られ、今後に期待。

【ことラボコメント】
 先月のこの欄で「来月が楽しみだ」としたが、前年同月比で「増加」も前月比は「減少」という跛行的状況になっている。しばらくこのような状態が続きそうだ。

受注内需 主要業種別構成の推移

■外需(1月分)
(1)外需
1,129.6 億円(前⽉⽐△ 4.9 % 前年同⽉⽐+ 34.2 %)
・前⽉⽐は2カ⽉ぶりの減少も、前年同⽉⽐では 16 カ⽉連続の増加、4カ⽉連続の 1,000 億円超え、1,100 億円超えは2カ⽉連続と好調な推移。
・外需は、国際情勢の不透明感が払拭されない中でも、欧⽶の投資喚起策効果と、アジアで投資が持続し、増勢は増している。

【ことラボコメント】
 外需比率が 77.6 %になり史上最高の比率になった。4分の3以上が外需。内需は設備の更新需要に期待しているようだが説得力が乏しい。設備を新調しないと生産性が上がらないとか環境に優しい生産システムを使おう、と呼びかけても“痛み”を伴わなければ実行には直結しない。さらにSDGsの時代に、廃棄される今の設備の行く末にまで配慮しなければ、世間の納得は期待できないのではないか。

(2)主要3極別受注
①アジア
アジアの受注額

アジア計は、過去最高の 600 億円超え。
-東アジアは、3カ⽉連続 400 億円超え。過去最⾼の受注額。(2017 年 11 ⽉ 487 億円を更新)
-中国は、3カ⽉連続 350 億円超え、過去最⾼の受注額。 (2017 年 11 ⽉ 412 億円を更新)
-その他アジアは9カ⽉連続の 100 億円超え。
-インドは2カ⽉ぶりの 60 億円割れ。

アジアの業種別受注
・主要4業種は、前⽉⽐、前年同⽉⽐ともに主要4業種全てで増加。
・⼀般機械は、前⽉⽐で3カ⽉ぶり、前年同⽉⽐で2カ⽉ぶりに増加し、5カ⽉連続 150 億円超えと堅調な推移。
・⾃動⾞は、前⽉⽐、前年同⽉⽐ともに2カ⽉ぶり増加し、5カ⽉連続 150 億円超えを維持。
・電気・精密は、4カ⽉連続の 120 億円超え、15 カ⽉ぶりの 150 億円超え。
・航空・造船・輸送⽤機械は、6カ⽉連続 10 億円超え、21 カ⽉ぶりの 20 億円超え。

欧州
欧州の受注額

欧州計は、前月比で減少も5ヵ月連続 150 億円超え
-ドイツは、4カ⽉ぶりの 40 億円割れ。
-イタリアは、2カ⽉連続 25 億円を下回るも前年同⽉⽐では7カ月連続増加と堅調な推移。

欧州の業種別受注
・主要4業種は、前⽉⽐は全ての業種で減少も、前年同⽉⽐は、「電気・精密」以外の業種で増加。
・⼀般機械は、2カ⽉ぶりに 50 億円割れも、前年同⽉⽐4カ⽉連続増加と堅調な推移。
・⾃動⾞は、9カ⽉連続 16 億円超えと低い⽔準ながらも横ばい基調の推移。
・電気・精密は、先⽉の反動が⾊濃く、5カ⽉ぶりの 14 億円割れ。
・航空・造船・輸送⽤機械は、前⽉⽐で⼤きく減少も、2カ⽉連続 20 億円超えと堅調な推移。

北米
北米の受注額

計は、前⽉⽐で減少も、前年同⽉⽐で増加し、12 カ⽉連続 250 億円超。2ヵ月連続 300 億円超え。
-アメリカは、前⽉⽐で減少も、前⽉(415 億円)に次ぐ、過去2番⽬の受注額。
-メキシコは、前⽉⽐で⼤幅減。2カ⽉ぶりの 20 億円割れも、1⽉の受注額としては平均並み。

北米の業種別受注
・⼀般機械は、2カ⽉ぶりに 80 億円を超え、堅調な推移。
・⾃動⾞は、前⽉⽐で減少も前年同⽉⽐6カ⽉連続増加、1⽉期に 60 億円を超えるのは 2016 年以来の⾼い⽔準。
・電気・精密は、前⽉⽐で⼤幅な減少も、前年同⽉⽐では2カ⽉連続増加と堅調な推移。
・航空・造船・輸送⽤機械は、前⽉⽐で⼤幅な減少も、前年同⽉⽐では6カ⽉連続増加と順調な推移。

AMT事務局コメント(12 月分受注)
2025 年 12 ⽉の受注は、前⽉⽐+ 86.7 % 前年同⽉⽐+ 58.9 %の8億 1,430 万ドル。
「2025 年暦年受注は、12 ⽉が単⽉で過去最⾼であったこともあり、前年⽐+ 22.5 %の 57 億 4,000 万ドルとなった。これは、⾼付加価値な⼯作機械受注が多い航空宇宙関連の増加が寄与している。⾦融緩和策と設備投資に有利な税制措置が相まり、需要の回復は加速している。」とコメントした。

★次回、2026 年3月次の受注額の報告は、速報値は 2026 年3月 10 日(火)15 時に発表。確報が 2026 年3月 25 日(水)15 時