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ことラボ・レポート

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ファナック/ 2025年 年頭所感

2025 年 01 月 21 日

ファナック株式会社
取締役会長 稲葉 善治

 

 

 


 皆様、明けましておめでとうございます。
 昨年は元旦に起きた能登半島に始まり、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東パレスチナ情勢の悪化など、天災人災に明け暮れた一年でした。今年は、米中対立の激化や欧米及び韓国での政治的な不安定要素が加わり、世界情勢は更に厳しくなる事を覚悟せざるを得ません。

 こうした中で昨年開催されたシカゴのIMTSや東京のJIMTOFでは、最新の工作機械に加えてSFW機やAM機など共に実用的なIoT機能や自動化・ロボット化の展示が多く見られました。会場は前回とは比較にならないほどの熱気に包まれ、大変な盛況ぶりでした。然しながら、一方で、両展示会とも活況だった会場の雰囲気とは裏腹に、実際の機械受注増にはつながらなかったという声も多数聞こえてきております。この理由として、製造業界が最新の工作機械やその応用技術に高い関心を持ちつつも、自動車業界や半導体業界の新規計画の停止や延期により、当面の商談が止まっている現状が挙げられます。

 一方、ITの世界だけでなく、工作機械やロボットの分野でも生成AIの応用技術が急速に進みつつあります。近い将来、生産設備の機能やオペレーションが革命的に進化する事が予想されますが、欧米は勿論、中国でもこの技術開発が積極的に進められています。日本も彼等に後れを取る事なく、この分野で先手を取る事が極めて重要です。

 また、日本の製造業界に於ける工作機械のビンテージの古さが大きな問題となっています。ある調査によれば、日本の製造現場の工作機械は 10 年以上経過した機械が約 60 %、15 年以上が約 45 %となっています。こうした老朽化した機械を多数抱える日本の製造業界は、最新鋭の設備を揃える中国やベトナムなど、発展途上国と比較して、生産性やエネルギー消費率の点で劣後しており、国際競争力の低下の一因となっています。このため、特に中小企業に於ける設備更新を後押しする政府の政策推進が求められています。

 日本の製造業界はこうした多数の問題課題を抱えており、2025 年も決して楽な年ではない事を認識せざるを得ません。然しながら、狭い国土に多くの人口を抱える日本は、製造業で生きていくしかありません。現在の困難な状況を乗り越えてこそ日本の製造業に未来があり、且つ、日本の製造業にはこれらの試練を乗り越え、逆にチャンスに変える底力があると信じております。
本年の皆様のご活躍とご多幸を心よりご祈念申し上げまして、私の年頭のご挨拶と致します。

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