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ー 科学と技術で産業を考える ー

ことラボ・レポート

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DMG森精機/ 2024 年度入社式 社長訓示

2024 年 04 月 03 日

DMG森精機株式会社
取締役社長 森 雅彦

 

 

 


 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
これから皆さんとともに働き、一緒に成長していけることを嬉しく思います。
 皆さんは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて通学ができないなど、不安な時期もあったと思います。
一方で、オンライン授業などでデジタルに親しんだり、自身について深く考え試行錯誤を続けたことは貴重な体験になったと思います。製造業においても、従来三現主義(現場・現物・現実)で現場志向が強かったですが、これを契機に、一層デジタル化が促進され、生産性が向上しました。
 当社は、DXを用いて工程集約、自動化を促進し、グリーン・トランスフォーメーション(GX)を実現することをマシニング・トランスフォーメーション(MX)と位置付け、世界中のお客様の生産性向上、サステナブルな社会の実現に貢献しています。高精度な機械を作り、場所・中間在庫等の無駄を削減し生産性向上を追求する工作機械産業は、頑張れば頑張るほど世の中のためになる産業です。さらに、工作機械の鋳物を再活用する工作機械の製品ライフサイクル全体を通したサーキュラーエコノミーへの取り組みを進めています。
 工作機械は長年お客様にご使用をいただくため、製品を出荷して終わりではありません。当社はグローバルで直販・直サービスをしており、納品後も直接お客様の様々な情報をお聞きして対応することで、より良い製品が開発できるようになります。また、社会やお客様のニーズの変化とともに、10 年おきに大きな技術革新が起こります。当社は 1948 年に創業以来コツコツとやってきて、技術のブレイクスルーに対応した製品・技術を開発してきました。新しい技術が出てきたときはチャンスと捉えて楽しむことが重要です。工学部や高等専門学校出身の方は、旋盤で実習を始めたと思いますが、時代に即するためには、最新の工作機械で学習することが重要です。その一環として、奈良女子大学工学部の学生に最新のAM機を用いた講義・実習をサポートしています。
 現在、2023 年を初年度とする3ヵ年の「中期経営計画2025」において、当社の数字や技術の方向性などについて決めています。天変地異など予見できないリスクに直面したり、先の見通せない時代と言う人もいますが、いかに生き延びるか、将来どうなっていきたいかを常に考えていきましょう。
 経営理念の一つに「よく遊び、よく学び、よく働く」を掲げています。“よく遊ぶ”ためには、心身共に健康であることと、やりたいからやるという自由な心が重要で、それがクリエイティブでバランスよく仕事をすることにつながります。“よく学び”については、変化し続ける技術や市場環境の過去を知りながら、常に最新の技術を通して学ぶことが大切です。よく遊び、よく学んだ上で、休むときはしっかり休み、生産性を高めて働きましょう。
 当社には全世界で 59 国籍・約 13,000 人の社員が働いています。英語を身に付け、ヨーロッパはじめ世界中の仲間と対等にコミュニケーションを取り、サポートしあっていきましょう。技術など仕事面は当然ながら、趣味などプライベートにおいても英語で情報を得ることは、人生の幅を広げることになります。国籍・性別・職種・考え方それぞれでダイバーシティに富む人材に拠ってシナジーを生み出し、多様な業種・地域のお客様に、一層高付加価値な製品を提供していきましょう。仕事を通して人生を豊かなものにし、充実した人生を送ってください。