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ファナック/ 年頭所感

ファナック株式会社
代表取締役会長 稲葉 善治
新年明けましておめでとうございます。謹んで年頭のご祝辞を申し上げます。
昨年を振り返ると、これまでの米中覇権争い、新型コロナのパンデミックに加えて、ロシアによるウクライナ侵攻、欧米の利上げによる極端な円安及び日銀の事実上の利上げによる為替の揺り返しなど、国内外でここまで多くの出来 事がよくまあ同時進行したものだと思います。
また、経済に直接関係はありませんが、ワールドカップで日本はベスト8に入らなかったものの、強豪ドイツとスペインを撃破した事は、今後の日本のサッカー界に明るい光を与えた出来事として、長く記憶に留まると思います。
このように昨年は激動の年でしたが、今年も日本の製造業界にとっては課題満載の大変な年となりそうです。然しながら、こうした状況だからこそ飛躍のチャンスもあると思います。 本年は、次の3つの課題に製造業界の皆さんと共に挑戦したいと思います。
第一に、待ったなしの CN に向けた GX の推進です。
多くの企業が2030年に向けた炭素排出量の削減目標を定め、実行に移すことを求められています。然しながら、この目標の達成は並大抵の事ではなく、殆どの企業は具体的な道筋を立てられないでいるのではないでしょうか。国土が狭い日本では、欧米や中国などのように太陽光や風力による再生可能エネルギーに頼る事は難しいと考えられます。地熱・水力・潮力など、日本らしい再エネ の開発を期待したいところです。
第二に、新型コロナの感染拡大により世界各所で起きたサプライチェーンの分断に対する対応力の強化です。
各企業は SCM に対するレジリエンスを高めるために、2nd ソースの確保や日本国内サプライヤの育成および重要部品の在庫拡充などを進めています。こうした活動は、従来のジャストインタイムやリーンプロダクションからの脱却を意味しており、SCM に対する発想の転換が求められます。
第三に、中国や新興国の追い上げに対して国際競争力を高めるために、工場のDXと自動化の推進が急務となっています。
日本は1980年代に自動車・家電をはじめ、色々な製造業の分野で世界一となり、国内には数多くの最新鋭の工場が建設されました。その後、より安い人件費やインフラコストを求めて工場の海外移転が始まり、製造業の空洞化が進んでしまいました。その結果、こうした動きに取り残された日本国内の工場は設備の老朽化が進み、新工場の建設ラッシュが起きた中国や新興国は勿論、欧米の工場と比較しても見劣りする状態になっています。こうした状況を脱却するべく、我が国の工場で積極的な設備の更新と IoT や自動化の導入が焦眉の急と思われます。
最後に、狭い国土に多くの人口を抱える日本は、製造業が支えるしかありません。その為には、競争力のある商品の開発と高品質で低コストの生産を可能にする優れた製造業の存在が重要です。ファナックは、自動化とDXの面で日本の製造業のお役に立てるよう、全力を尽くして参ります。
最後になりますが、皆様にとって本年が素晴らしい年になりますようご祈念申し上げますと共に益々のご発展とご健勝をご祈念申し上げます。
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