ことラボ・レポート
日本工作機械輸入協会 賀詞交歓会を開催
2026 年1月6日、日本工作機械輸入協会は都内のホテルで新年賀詞交歓会を開催した。
金子一彦会長の挨拶
2025 年を振り振り返ると当協会が 70 周年を迎えた記念すべき年でした。記念式典は当協会理事であるグリーソンアジアの池垣社長を中心とした実行委員の元で4月に盛大に開催された。非常に多くの方に参加いただきお祝いをいただいた。改めて御礼申し上げます。
2025 年は為替の問題があった。一昨年からの円安が急速に進んだ。輸入関連事業者には 2024 年に続いて非常に厳しい試練の年になった。しかし会員企業各社の前向きの行動力に非常に励まされた。価格調整ひとつをとってもお客様と丁寧な対話を重ねお客様のソリューションの創出と捉え従来からの慣例を守りながらもさらに新たな価値を提案していく、そんな話を聞くたびに会員の皆様には底力がある、未来を切り開いていく力がある、と大いに勇気づけられた。
ちなみに昨年の工作機械の輸入通関実績は 667 億円だった。24 年が 746 億円、23 年が 846 億円、22 年 831 億円と比較して約 100 億から 150 億ほど下がっている。決して円安だけが理由ではないと思うが、その影響があることは間違いない。ただし周辺機器の輸入通関実績は、測定機、検査機関連機器は 4,652 億円、トランスミッション、ギア、ベアリング、クラッチ等の機器類が 5,473 億円、工具類が 1,055 億円といずれも一昨年以上となっており、こちらは円安の影響は受けていない。
昨年は9月にドイツ・ハノーファでEMO2025が開催された。当協会も恒例の視察団を組み、現地参加も含めて延べ 20 名以上が参加した。EMO視察後は当協会のサプライヤーであるスイスのメーカ3社、ライスハウア―社、ケレンベルガー社他を視察してスイスの最新の工作機械の現場を学んできた。アテンドしていただいた当協会の皆様にはEMO期間中というご多忙の中、ご協力いただきありがとうございました。参加者の皆さんからは有意義だったと喜びの声をいただいた。またEMOですが、展示自体は目を見張るものも多く、EMO2025のテーマである『製造業の革新』を象徴する総合展示、工作機械からデジタル技術、知能化ソリューションまでの最新技術が一堂に揃ったような印象を受けた。ちなみに期間中の来場者は 80,000 人だった。前回の 2023 年が 92,000 人その前が 150,000 人であることを考えると、来場者の減少傾向に歯止めがかからない状況だと思う。減少の原因は複合的であると考えられるが“コロナ禍の影響”と一言では片付けられないと思う。来場者が会場に足を向けることが減ってきている、ということも大きい。以前のような活気があまり感じられなかった。使用してないパビリオンも多く感じた。出展者が減少していることも挙げられる。出展者の費用対効果が低いという判断もあると思う。その反面、中国系メーカが前回より3割ほど増えていた。
本年は9月にシカゴでIMTSが予定されこちらに使節団を派遣する。同時にシュツットガルトでAMT国際金属加工展も派遣を検討している。いずれにしても海外の多くの新技術新製品を日本のユーザに紹介できると考えている。会員企業はもとよりお客様にも声をかけていただきたい。
また今年は世界の製造拠点の再編が加速し、国内では高度加工、高精度化への動きが一段と強まってくると予測される。こうした環境下では輸入工作機械のみならず周辺機器や測定機を含む総合的なシステムの選択肢を提供することが国内の製造業の強化に不可欠だと考える。
当協会は、海外メーカの技術動向を的確にとらえて、情報を発信し性能評価や安定基準、保守サービスとの情報整備を進めることで、ユーザの最適選択を支援し、また脱炭素化対応、ソリューションの導入促進に向け、そして輸入機器が国内産業の高度化に果たす役割をさらに明確にし、慢性的な円安下でも持続的に、価値を提供できる市場形成に貢献していきたいと考えている。
ここで本協会の使命である海外の最新技術を紹介するということを、もう一度見つめ直し、最強のソリューションの提供を促進していける1年にしましょう。そして今年最大の舞台はやはりJIMTOF2026、世界が日本に注目し、日本企業が海外の製品情報を視察に来る場であり、会員企業の皆様が成果を最大限発揮できるよう、当協会としてもバックアップを強化する所存です。海外メーカとの橋渡し役もこれまで以上に積極的に取り組む。皆さんとその刺激を共有し次の成長に繋げたい。
また2月にパシフィコ横浜で開催される《テクニカルショウ》に輸入協会として出展する。今年で8回目の出展になる。今年は新たな試みとして毎年5月に石川県・金沢市で開催されている《MEX機械工業見本市》にも輸入協会として出展する。会員企業の方はぜひ出展をご検討いただきたい。従来の会員企業・商社、海外メーカ、ユーザという縦の繋がりだけでなく会員企業相互の交流を活発にしてネットワークを強化してお互いのビジネスに反映していければと思っている。
今年は『午年』です。ウマが力強く大地を駆け抜けるように、物事が前向きに進み挑戦と飛躍の年になると言われている。私たちもスピード感と行動力を大切にして一歩一歩着実に前進していきたいと思っている。
経済産業省製造産業局産業機械課 須賀千鶴課長による来賓挨拶
私は本日が仕事始めで、このような機会をご用意いただいてありがとうございます。
さて世界では米国の関税措置、ベネズエラでの出来事などいろいろありましたが各国においても自国優先の大規模な産業政策が取られて、自由主義経済つまりこれまでのように安いものを買って安く作って安く売れば勝ち組になれる、というような単純な市場経済とは違った新しい秩序が生まれつつあるように感じている。
他方で国内に目を向けますと人口減少、少子高齢化の影響で人手不足がますます深刻になっている。物価高も進んでいる。そんな中で政府としては国民の皆様が直面している物価高に最優先で取り組んでいくことにしている。続いて高市内閣の成長戦略の肝である危機管理投資、成長投資の促進に重点的に取り組んでいく。強い経済を実現するためにAI、半導体、量子、バイオ、航空宇宙、エネルギー、GXなどの戦略分野を中心に大胆な設備投資そして研究開発の促進など総合的な積極財政と呼ばれる支援措置を早急に検討して官民の積極的な投資を引き出していきたい。例えばビッグデータ、AIの時代には高齢者むけや防災・災害対策にロボティックスなどがわが国にとって革新になると言われている。技術で勝ってビジネスで負けると言われ続けることが無いように、ゼロ位置で打ち出された技術の種を「1」から「1万」、「1億」と大きく育てていくことが出来るように人材の育成や教育環境の整備などに取り組んでいきたいと考えている。
対外経済政策では、米国の関税対応に合わせて有志国家と連携した、自由貿易と法の支配の通商戦略を進めるハイブリッドな通商戦略を展開して行く。またますます重要性を増していく経済安全保障の分野においては重要な物資が特定の国に過度に依存することが無いように強靭なサプライチェーンの構築に取り組んでいくこととしている。
貴協会は昨年4月に協会創立 70 周年を迎えられた。おめでとうございます。いまや日本は世界有数の工作機械生産国であるがその発展は輸入の工作機械から始まった。皆さんは長きにわたってこの重要な産業の発展に貢献していただき深く、深く感謝している。工作機械産業は製造業の基盤を支える大変重要な分野であり、世界的にものづくり産業の重要性がますます皆に痛感され認識されている。近年のデジタル化や自動化の進展に伴って工作機械の役割は高まり、AIやIoTの活用により、貴協会に果たしていただく役割はますます大きくなる。今年 10 月にはJIMTOF2026の開催が予定され楽しみにしている。世界中から機械やソリューションが集結するこの場で日本のGX、DXの潮流に対応して競争力を高める絶好に機会だ。輸入協会の皆様には海外メーカとの強いネットワークを活かしていただき、革新的な技術を日本市場に円滑に導入する重要な役割を一層果たしていただきたい。
高市総理は「働いて、働いて、働いて、働いて、働いて」ということで流行語大賞を受賞され、その下で赤沢大臣は「馬車馬のように今年は働くぞ」と宣言されている。その部下である私たちは“馬車馬以上”に駆け抜ける1年になると思う。
新入会員紹介
輸入協会に参加した2社が紹介された。左手前がドイツ・ヴェルドーフに本社を置く工作機械産業向けクーラントポンプメーカーのブリンクマン・ポンプ・ジャパン㈱の森田源太社長、右奥がイタリア・フィレンツェに本社を置く物流企業サヴィーノデルベーネジャパン㈱のフラビオ・ゴリ代表取締役。
乾杯の発声は日本精密機械工業会の北井正之会長
私たちの工作機械業界は、景気や為替に大きく左右される、非常に経営が困難な業界ですが、景気が悪いと言われると俄然燃えてくる変な集団です。条件が厳しければ厳しいほど知恵が出てきます。またプレッシャーがあればあるほど技術が磨かれます。そして最後に勝つのは現場を信じた人間です。今年も前向きにどんどん攻めていきましょう。それでは杯を高く上げ声高らかに、乾杯!