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一週間後に開幕!ロボット産業で最大級展《iREX2025》
いま産業界で注目を集めている技術のひとつにロボット技術がある。そのロボット産業界最大の展示会のひとつである《国際ロボット展(iREX)》が一週間後の 12 月3日(水)から東京ビッグサイトで開催される。主催者((一社)日本ロボット工業会、日刊工業新聞社)からのプレスリリースを参考にしながらポイントを紹介する。
“ロボット”という機械は、汎用性の高さに特徴がありそれ故にこれからの用途開発を注目している。例えば“工作機械”は対象ワークをどのように切削・研削するかは使う人が決めるのだがロボットは「動き」だけが定められてどのような場面でどのように使うかの自由度は工業製品の中で非常に高い。しかも周辺の要素技術は日進月歩で進化している。そのスピードにロボット業界自体が戸惑っているようにも見える。だからこそ産業界の期待が集まっている。
《iREX》は2年に一度開催される世界最大級のロボット専門展として 1974 年に開催され今年で 26 回目になる。今回のテーマは「ロボティックスがもたらす持続可能な社会」。
出展規模は、673 社・団体、3,334 小間(前回 654 社・団体 3,508 小間)になる。しかし今回は、東京ビッグサイトの改修工事で東ホールの1~3が使えない。“世界最大級”と形容するのは少し恥ずかしい状況だ。確認のためにリリースにある会場の見取り図を添付した。小間数は前回より減ったが出展者数は過去最多となった。
ロボット技術は成長途上で、かつては“産業用”という堅苦しい言葉が頭についていた。歴史的には 1972 年に「日本産業用ロボット工業会」が任意団体として発足した。1994 年に“産業用”が取れて現在の「日本ロボット工業会」となったが、社会一般では“産業用”という概念はついて回っていた。ロボットビジネスの期待と変化はめまぐるしく落ち着く気配は見えてこない。それでも今回から、「産業用ロボット」「サービスロボット」で区分をしていた分野を、日本ロボット工業会が策定した「ロボット産業ビジョン2050」にあわせる形で「スマートプロダクションロボット」「スマートコミュニティロボット」に見直すことにした。しかしこれはあまり本質的な議論とは思えない。混乱だけを巻き起こすように思える。
ロボットを取り巻く環境が整備されていないことは真剣に捕らえなければいけない。それは経済産業省を中心として打ち出す施策に汎用性が少ないことに理由があると考えている。例えば 2006 年 12 月に、ロボットテクノロジーの開発と、それを活用したソリューションビジネスの開拓促進のため「ロボットビジネス推進協議会」が設立された。ロボットの安全、エレベータ、通信などの共通規格、ロボットに関わる保険、ミドルウエアなどを産学官の連携で検討し、関係省庁などに提言・要望を行ってきたが、2015 年2月に「ロボット革命イニシアティブ」(RRI)が設立されたことに伴って7月末をもって発展的解散をした。私はこのロボットビジネス推進協議会の設立記者会見に参加した。その時の主旨としては、省庁の壁を越えてロボット産業を育てよう、というムードを打ち出していた。その頃のエポックとしてホンダの二足歩行ロボット「ASIMO」やソニーのロボット犬「AIBO」が話題になっていたがホンダもソニーもメンバーに入っていなかった。経済産業省の枠組みを超えてロボット産業を育てようと呼びかけたのに両社が参加していないのはなぜか、を確認すると事務局は少し混乱をしたようで「いずれ参加すると思います」と回答した。しかし事務局はロボット工業会の事務所内におかれ、やはり主導権は経産省が持つことに納得した。ホンダもソニーも参加しなかった。
また海外出展者数は、前回に比べて 21 社・団体、38 小間増加して 13 ヵ国、140 社 481 小間となった。リリースでは「ロボット産業界最大の展示会のひとつである」と紹介されているがスイスのABBやドイツのKUKA(2016 年より中国・美的グループ傘下)は今回出展していない。事務局に確認すると東京ビッグサイトの改修工事で小間数が減少する事態で、小間募集段階での連絡不足で不参加になったとのこと。今のロボット産業の“四強メーカ”にはファナック、安川電機、ABB、KUKAが入ると言う。その半分が不参加だということを主催者は重く受け止めるべきだ。
また併催イベントが多種多様だが“発展途上”の産業の元気ぶりと理解したい。
併催ゾーンは前回に引き続き、
「ロボットSIerゾーン(ロボット導入に必要なインテグレーターの展示)」、
「物流システム・ロボットゾーン(物流業界で活躍する最新のロボットシステムの展示)」、
「部品供給装置ゾーン(パーツフィーダなどの供給システムの展示)」、
を設置する。
併催事業では、初日に《iREXロボットフォーラム2025》を開催し、ロボットメーカーとユーザー企業のディスカッションで導入の最新動向や新たな分野での活用の可能性を探る。その他、AIやヒューマノイドなど多数の講演やフォーラムを連日実施する。
今回新たな企画としては、学生と企業をつなぐ《iREXリクルート&業界研究フェア》や《癒しCafé in 国際ロボット展》を実施するほか、毎回好評を博している体験企画イベント「つくる☆さわれる国際ロボット展」も実施する。
前回に引き続きオンライン展示会《iREX ONLINE》も 11 月 19 日(水)~ 12 月 19 日(金)に開催する。オンライン会場のみの出展者やオンライン会場限定のウェビナーもあり見どころ満載。
【小間数内訳】
今回の《iREX2025》の内訳は下の表のである。
■開催概要
◆名称: 2025 国際ロボット展[INTERNATIONAL ROBOT EXHIBITION 2025(iREX2025)]
◆開催趣旨:国内外の最先端のロボットやAI・ICT・要素技術などロボットに関わる最新技術を一堂に集めて展示し、利用技術の向上と市場の開拓に貢献し、ロボットの市場創出と産業技術の振興に寄与する。
◆テーマ:ロボティクスがもたらす持続可能な社会
◆主催:一般社団法人 日本ロボット工業会、日刊工業新聞社
◆後援:経済産業省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、文部科学省、日本商工会議所、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本貿易振興機構(JETRO)、日本放送協会(NHK)
〈順不同、法人格略、承認済みのみ記載〉
◆協賛:
計測自動制御学会/情報通信ネットワーク産業協会/製造科学技術センター/精密工学会/全日本プラスチック製品工業連合会/テクノエイド協会/日本機械工業連合会/日本金属プレス工業協会/日本建設機械工業会/日本建設機械施工協会/日本工作機械工業会/日本産業機械工業会/日本自動車工業会/日本自動車部品工業会/日本食品機械工業会/日本鍛圧機械工業会/日本鉄鋼協会/日本電気計測器工業会/日本電気制御技術工業会/日本半導体製造装置協会/日本福祉用具・生活支援用具協会/日本福祉用具供給協会/日本物流システム機器協会/日本フルードパワー工業会/日本ベアリング工業会/日本ベルト工業会/日本防錆技術協会/日本包装機械工業会/日本溶接協会/マイクロマシンセンター/AIロボット協会/ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会
〈順不同、法人格略、承認済みのみ記載〉
【リアル会場】
◆会期: 2025 年 12 月3日(水)~ 12 月6日(土)10:00 ~ 17:00
◆会場:東京ビッグサイト 西1~4ホール/東4~8ホール/アトリウム
※12 月6日(土)のみ南3ホールを使用
◆入場料:1,000 円 ※入場登録者、招待状持参者、中学生以下は無料
◆同時開催展(12 月3日(水)~ 12 月5日(金)/南1~4ホール/相互入場を実施):
《洗浄総合展》、《VACUUM真空展》、《Sampe Japan 先端材料技術展》、《スマートファクトリーJapan》、《高精度・難加工技術展》、《表面改質展》
【オンライン会場】
◆会期:2025 年 11 月 19 日(水)~ 12 月 19 日(金)
◆会場:オンライン上 https://irex.nikkan.co.jp/online/
◆入場料:無料[登録制]
■本展のみどころ
◆「スマートプロダクションロボット」と「スマートコミュニティロボット」の二分野にリニューアル!
今回より製造業・建設業・農林水産業を支え、活躍するロボットを対象としたスマートプロダクションロボットと、地域および日常生活の中で健康かつ安全・安心な社会を支え、活躍するロボットを対象としたスマートコミュニティロボットの二分野に出展区分を変更した。
各分野の出展傾向を見ると、スマートプロダクションロボットでは、搬送・仕分け・ピッキングが最も多く、次いで組立、測定・検査となる。また、スマートコミュニティロボットでは、最多が配送分野で、続いて医療となる。トレンドとして、AIを活用したロボットやソリューションの展示も増加している。
なお、ロボットに欠かせない要素技術の分野では、駆動・センサ・制御系の出展が最多です。
◆3つの併催ゾーンでも注目システム・技術が目白押し!
恒例となったロボットSIerゾーン、部品供給装置ゾーン、物流システム・ロボットゾーンを今回も設置する。
ロボット導入に欠かすことのできないインテグレーター企業による各種ソリューションの紹介やパーツフィーダの最新技術の紹介。また、物流問題を解決するロボットシステムやAIを活用した自動化ソリューションなど見逃せない展示が行われる。
◆海外出展者は過去最大規模
海外出展者は 14 ヵ国から 140 社・団体が参加し、過去最多の社数となる(前回比+ 21 社)。
全出展者の約2割強を占め、《iREX》ブランドは海外でも広く認知されている。さらに海外向け来場プロモーションにも注力し、今年は約1万人の海外来場者(前回 9,035 名)を見込んでいる。
◆最新のロボット業界の動向を知ることができるステージが目白押し!
メインステージ(会議棟1階レセプションホール)では、経済産業省によるRINGプロジェクトの紹介のほか、ロボットメーカーとユーザーが一堂に会するiREXフォーラムを開催する。また海外のロボット団体による各国のロボット動向紹介、「ヒューマノイドロボット」「スマート農業」「AI」などをテーマにしたステージを開催する。
◆併催企画では、リクルーティング企画を初開催!
12 月5日(金)~6日(土)には、西展示棟アトリウムで《iREXリクルート&業界研究フェア》を初開催。ロボット業界に興味を持つ学生と企業の橋渡しの場を創出することが目的で、実際に展示ブースで製品を見た上で、関心を持った企業の担当者と直接話が出来る。ロボット業界に関心がある学生に参加して欲しいイベントだ。
■《iREX ONLINE》
会期:11 月 19 日(水)~ 12 月19日(金)
恒例となったオンライン展示会《iREX ONLINE》を今回も開催。
リアル会場の会期中はもちろん、会期前後もオンライン出展者の展示やウェビナーなど閲覧できる。
■《iREX GO》をより見やすくリニューアル。
気になった画像から出展者が検索でき、企業・製品との新たな出会いのツールとして活用できる。
《iREX ONLINE》⇒https://irex.nikkan.co.jp/online/
■メインステージ
会場:会議棟1階レセプションホール:定員:各 500 名(聴講無料)
「ロボット」というキーワードから広がる、バリエーション豊かなステージプログラムを開催。
◆ 12 月3日(水)
■RINGプロジェクト全国フォーラム
~オールジャパンでのロボット社会実装の推進に向けて~(仮)
登壇:経済産業省
ロボットをキードライバーに持続可能な地域社会の実現を目指すことを目的に、本年6月に設立した「全国ロボット・地域連携ネットワーク(RINGプロジェクト)」について、その意義や活動内容などを紹介する。
■iREX ロボットフォーラム2025「未来のモノづくりを変えるロボットソリューション」
主催:日本ロボット工業会、日刊工業新聞社
AIの導入やロボットソリューションの進化により、ロボットの活用範囲がさらに広がっている。
ロボットメーカーとロボットユーザー各社による最新の事例を交えて、未来のモノづくりの現場に向けてディスカッションを行う。
■ヒューマノイドロボットフォーラム
AI 技術の発展や労働力不足の解消手段として、ヒューマノイドロボット(人型ロボット)の開発は各国で急速に進んでいる。本ステージでは、国内外の注目企業がヒューマノイドロボットを取り巻く現状と未来について語る。
◆ 12 月4日(木)
■IFR-iREXインターナショナルロボティクスフォーラム
「世界のロボット市場の最新動向―主要国における『ロボット5大トレンド』の現状と展望」
主催:国際ロボット連盟(IFR)/日本ロボット工業会/日刊工業新聞社
産業用ロボットやサービスロボットは、世界的に今後ますます導入が進むことが期待されている。本フォーラムでは、まず国際ロボット連盟(IFR)より世界のロボット市場の最新動向に関する講演が行われる。続いて、IFRが 2025 年のロボット5大トレンドとして掲げる「AI、ヒューマノイドロボット、サステナビリティ、ロボットの新たなビジネス領域、労働力不足への対応」をテーマに、主要国の現状と展望についてプレゼンテーションとパネルディスカッションを行う。
■スマート農業の今後の展開~先端技術が拓く新しい農業~(仮)
主催:農林水産省
農業の担い手の減少などをきっかけに、注目を集める「スマート農業」について、法制度や官民の推進体制の整備など近年の施策の動向を踏まえ、様々な 立場のステークホルダーが集い、議論する。
◆12月5日(金)
■工場長サミット in 国際ロボット展~ AI for Industry ~
主催:モノづくり日本会議/日刊工業新聞社
工場長サミットは現場を起点に意思決定する製造業のさまざまな部門のリーダーが、講演や交流会を通じて主役となるカンファレンス。今回のテーマはAI。安川電機の小川昌寛社長の講演のほか「NEDO」セッションなどを開催し、ロボティクスAIの未来を提示する。
☆登壇者などの詳細情報は公式Webサイトにて随時更新しています。 https://irex.nikkan.co.jp/
《iREX》サポーターの紹介
■2025国際ロボット展サポーター 『井上咲楽(いのうえ・さくら)さん』
国際ロボット展は、新たなテクノロジーや未来の可能性と出会うことができるイノベーション創出の場でもある。
より幅広い世代にロボット産業の広がりを知っていただくため、この度、「国際ロボット展サポーター」として井上咲楽さんが就任した。
今後、様々な動画や展示会場で本展のPRをおこなっていただく。
【井上咲楽 プロフィール】
1999 年 10 月2日生まれ、栃木県出身。
2015 年、『第 40 回ホリプロタレントスカウトキャラバン』特別賞を受賞し、芸能界入り。
当初は太い眉毛がトレードマークだったが、現在は卒業し、バラエティー番組などで活躍中。
ABC『新婚さんいらっしゃい!』の8代目アシスタントや、NHK『サイエンスZERO』のMCも務めている。
■2025国際ロボット展 スペシャル対談映像
国際ロボット展サポーターに就任した井上咲楽さんと、本展を代表して国際ロボット展 小川運営委員長の対談映像を作成する。
映像は、今後公式Webサイトや展示会場内ビジョン等で放映予定です。