岩波徹の視点
JIMTOFを終えて
6日間のJIMTOFが11月13日に終わった。今年は11月8日(火)が初日だったが、過去6回の開催曜日を見ると木曜日が5回で金曜日が1回。火曜日から始まったことはない。国内最大の展示会だから、週末に始まると、土日まで東京に宿泊すれば隅々まで見学できる。だからだろうか、それとも前例踏襲で行われていただけなのか。火曜日から始まった今回展は、JIMTOFお馴染みの会場内で動きが取れない、という状況はかろうじて免れたようだ。過去のデータを見るとやはり金・土の週末に来場者が多い。開会が週末になると「動きが取れない」状況になる。
展示会の主催者だった経験を持つ私は、会場周辺の道路が、会場に向かうクルマで渋滞している、と警察から連絡が来ると、不謹慎ながら「やったぁ」と思っていた時期もあった。それがあるとき、入場ゲータの責任者だったときに「あなたはこの展示会の主催者か」と一人の老人に声を掛けられた。もう午後3時過ぎでまもなく閉館時間だった。「この展示会を楽しみに、朝早く家を出てきた。それが渋滞でやっと駐車場に入れたのがこの時間だ。もう家に帰らなければならない時間だ。主催者だったらこんないい加減な企画をするな」と、厳しく言われた。そのときから展示会ってなんのためにやるのか、考えるようになった。
主催者なら、たくさんの出展者を集めて、たくさんの来場者に来ていただき、中身のある商談がまとまれば上出来だ。しかし、一番大切なのは、やはり「中身のある商談」で、出展者の数も来場者の数も、その前提条件に過ぎない。しかし来場者の多寡が展示会の良否を判断する指標として使われるのは、他に判り易い指標がない以上やむを得ない。
あれ?これは「売上高優先」の経営と似ていないか? 経営の本質は利益を上げることのはずだが、市場で高いシェアを獲れば価格戦略や技術戦略で業界をリードできる、と考える人が多い。しかし今回の取材では「安く作って、多く売り、シェアを取る戦略」の見直しを口にするトップが多かった。“薄利多売”から脱出できるか?